流山児★事務所2000年春公演
渋谷ジァン・ジァンファイナル

血は立ったまま眠っている



日時:2000年4月22日(土)〜25日(火) 7時開演
※23日、25日マチネ3時あり。

初日(22日夜)、23日マチネ、楽日(25日夜)の回、完売直前
チケット予約03(5272)1785はお早めに!!


会場:渋谷ジァン・ジァン TEL03(3462)0641
 

作:寺山修司  演出:流山児祥  音楽:宇崎竜童


出演:塩野谷正幸、若杉宏二、井沢希旨子、青木砂織、栗原茂、横須賀智美、
小林あや、関根靖晃、中谷政雄、上田和弘、小森谷環、谷宗和、甲津拓平、イワヲ、他

前売開始:2000年3月12日(日)  料金〈完全予約制〉:3000円(日時指定・全席自由)
電話予約・問合せ:流山児★事務所   TEL03(5272)1785
         渋谷ジァン・ジァン TEL03(3462)0641

※尚、この公演はプレイガイドでのチケット発売はございません。
 すべて渋谷ジァン・ジァン及び、流山児★事務所での予約による完全定員予約制になります。

※Ryu's Club会員のみなさまへ
早めに希望日を御連絡ください。お願いします。

【物語】
舞台は港町、競馬場の喧噪が聞こえる。倉庫、床屋の並ぶ横町。
公衆便所から猫の鳴き声。
倉庫に住み着いている2人の男、灰男と良。自衛隊から部品を盗んで革命を目論むテロリスト。
ところが、良の姉、夏美が現れてから灰男が臆病になってしまったと良は苛立つ。そこに1人の男がくる。ダイナマイトを見せ、英雄になりたくないか、と灰男に迫る。迷う灰男。すると男は、良をそそのかし、裏切り者を消せとピストルを渡す。
一方、床屋にたむろするチンピラたち。退屈な生活を持て余し、首吊り死体の葬式ごっこをはじめる。そこへ仲間の1人が商売の話をもってくる。リンゴの闇取引。しかし計画は失敗におわる。裏切り者のリンチがはじまる。

2つの物語が進行し、そして、全てが解体して行く。

【解説】
1983年5月4日寺山修司死去。亨年47才。
前衛劇団<天井桟敷>を主宰、演劇をはじめ映画、詩、評論、短歌、俳句、競馬など時代を駆け抜けたクロスオーバーの旗手。つねにそのジャンルを超えた「挑発行為」に生涯を燃やし続けた寺山修司は、死後17年を経ても今尚鮮烈に多くの人々の心の中に生き続けている。


『血は立ったまま眠っている』は、私の処女戯曲であり、1960年に「文学界」に発表され、浅利慶太の演出で、劇団四季によって初演された。「一本の樹の中にも流れている血があるそこでは、血は立ったまま眠っている。」というみじかい私自身の詩から発想されたこの戯曲は、六十年安保闘争との関係を省いて語ることは難しい。
私のなかにはその頃から、「政治的な解放は、所詮は部分的な解放に過ぎないのだ」という苛立ちがあり、そこがこの戯曲をつらぬく一つの政治不信となってあらわれている。勿論、処女戯曲だけに、言葉ばかりがあふれ出し、劇であることよりは集団朗読的な様相を呈している。要するにこの戯曲ははじめから「文学」を目ざしており、そのことが決定的な弱点となっている。それでも、23歳という若年で書かれたこの戯曲に、私が愛着をもっているのは、この戯曲の中にその後の私の演劇のあらゆる要素が萌芽しているからである。とくに、第三幕におけるストーリーの崩壊、人物仮面の剥離、素明かりによる虚構の異化、そして挿入される歌、雑誌記事、天気予報などのコラージュ的手法は、天井桟敷の演劇へそのまま引き継がれていったものである。  (「角川文庫」解説より)