作:北村想  演出:小林七緒
出演:北村想・流山児祥

いちかけ、にかけ、さんかけて、しかけにごかけ、橋をかけ、橋の欄干腰おろし、はるか巷をながむれば、世間は辛いことばかり、浮世はイヤなことばかり、ここは乾坤一擲の、還暦手前の一仕事。天変地異の暗雲に、つつまれる《死》の蠢いて、屈託極まる、このご時世をたたっ斬る、40年目の馬鹿笑い。落語の『根問い』で、解いてみようか、あの謎この謎、れいの謎。

 

流山児祥は元機動隊員で、浅間山荘で闘った。そのアト、ゲバルトくらって、ポン中に。ところが、暴力団に雇われてのヒットマン。これから仇の親分のタマ(命)をとりにいく、いわゆるヤクザの鉄砲玉(落語ではクマかハチ公)。ときどき、記憶の断片に思い出すのは、全共闘で敵味方、幼馴染みの彼、彼女。その記憶の曖昧に、真実がちらりほらりと顔を出す。北村想は怪しげな、正体知れぬ貧乏弁護士(落語ではご隠居)。こやつが、かつて全共闘の弁護をしていたという経歴を持っている。が、しかし、そいつにゃ裏がある。

 

激動の昭和史が数々の歌に彩られ、鉄砲玉として生きた男の半生として語られる。30年前に別れた鉄砲玉の妻子を巡る2人の想い出が奇妙に交錯し「昭和」の裏面史がつづられる、これはたった二人のミステリーだ。



【スタッフ】

宣伝写真:荒木経惟  舞台美術:小林岳郎 照明:ROMI 音響:諏訪創    


【旅公演スケジュール】

  〜以下、おかげさまで終演しました、再会を楽しみに〜

2011年     
5月14(土)〜16(月) 大阪:ウイングフィールド
5月18(水)〜21(土) 名古屋:G/pit
5月23(月)・24(火) 津:あけぼの座
5月26(木)・27(金) 盛岡:風のスタジオ
5月28(土)・29(日) 仙台:せんだい演劇工房10-BOX
6月1(水)・2(木) 柏:Studio WUU
6月4日(土) 横浜:相鉄本多劇場

 

【予約・お問い合わせ】 流山児★事務所 TEL03-5272-1785 メール

 

流山児祥(りゅうざんじ しょう)  演出家・俳優。 
熊本県荒尾市出身。東葛飾高校、青山学院大学経済学部を経て1970年「演劇団」旗揚げ以来第2次小劇場運動のリーダーとして疾走中。演出作品は250本越え。アングラ劇から歌舞伎・創作劇・ミュージカルを国内外で上演、国際的に高い評価を得る。楽塾、パラダイス一座等シニア演劇運動の実践家・運動家としても注目されている。代表作に『狂人教育』(ビクトリア国際演劇祭グランプリ)『オールドバンチ』(倉林誠一郎記念賞)『青ひげ公の城』(東京芸術劇場ミュージカル月間優秀演出家賞)2009年『ユーリンタウン』『ハイライフ』『田園に死す』の優れた成果で紀伊国屋演劇賞団体賞受賞。映画出演に『不倫』(主演)『ミンボーの女』など多数。声優の代表作は『るろうに剣心』の宇水役。映画監督作品に『血風ロック』」(ヨコハマ映画祭自主製作映画賞受賞)がある。日本演出者協会副理事長&地域交流部長【社】日本劇団協議会理事&演劇センター構想委員会委員、演劇と社会委員会委員。

 

北村想 (きたむら そう) 劇作家、小説家、エッセイスト。

滋賀県大津市出身。1979年TPO師★団旗揚げ。その後、彗星86、プロジェクト・ナビ主宰。2011年からナビロフトと共同で演劇の
企画プロデュース・ユニットSLOFTを開始。『十一人の少年』で第28回岸田國士戯曲賞。『雪をわたって・・・第二稿・月のあかるさ』で第24回紀伊国屋演劇賞。代表作に『寿想』『想稿 銀河鉄道の夜』などがある。俳優としては『トキワ荘の青春』、『天使の卵』などに映画出演。伊丹アイ・ホールで塾長をつとめる戯曲講座「伊丹想流私塾」は今年で第15期を迎える。現在、エッセイ『エンタ目』を中日新聞(東京新聞)朝刊に毎月1回連載中。

 

小林七緒(こばやし ななお)演出家・女優。

早稲田大学法学部卒業。2000年1年間文化庁派遣在外芸術家研修員としてカナダ留学。帰国後、日本演出者協会主催:若手演出家コンクール2001『その鉄塔に男達はいるという』で最優秀演出家賞を受賞。流山児祥とともに10年以上全国でシニア演劇ワークショップを展開・指導している。最近の演出作品では『ヘレンの首飾り』(カナダ現代演劇祭)『標的家族!』(社団法人日本劇団協議会)『7ストーリーズ』(文化庁在外研修の成果公演)『橋を渡ったら泣け』(新国立劇場演劇研修所:研修公演)など 。日本演出者協会理事&事業部長を務め「演劇大学」「若手演出家コンクール」などの次世代の人材育成プロジェクト事業のリーダーである。



流 山 児 ★ 事 務 所 レ パ ー ト リ ー シ ア タ ー 2011