『戦場のピクニック・コンダクタ』

6月11日(土)

本日休み。明日は千秋楽。ヨロシク。

 

6月10日(金)

朝から雨。

11時過ぎから『永遠』の初めての読み合わせ。様々に読む。音楽を荻野清子さんに頼む。歌入り音楽劇に作り変える予定。明日岸田さんの詩を決める。来週月曜、もう一度本読み。キャスティングまで行きたいが?

名古屋から二村さん。ひょっとこ乱舞の広田くん、和田さんと飲む。あと2日。明日天気になーれ!である。

今日のビデオ。『天上の剣』(ツイ・ハーク監督」チャン・ツィイー出演

 

6月9日(木)

お昼12時から六本木のプリンスホテルでカナダの劇作家、小説家・俳優のアン・マリー・マクドナルド氏とのランチ・ミーティング。宮田慶子、倉田淳といった女流演出家と一緒にカナダ・日本演劇の交流について話す。頭のいいシャープなアン。来年トロントで会おうと約束する。

久しぶりの六本木を30分ぐらい散策後、日比谷線で築地に向かい3時から『永遠』の情宣、日刊ゲンダイの山田さん。

4時半から5時半まで「あたり」。いつものように。

あと3日。まだ、まだ?!

終演後伊藤さんと飲む。そうだ、札幌のコンカリーニョの高橋さんが来てくれた、有り難い事だ。

明日は11時から『永遠』の本読み3時半まで、久しぶりのスペース早稲田。4時半の『永遠』の共同通信への情宣はキャンセルだ、宗方さんごめん。

今日のビデオ。『突撃』(スタンリー・キューブリック監督)これぞ名作。

 

6月8日(水)

日記復活。朝から朝日、毎日の『永遠』の情宣のための新聞社廻り。

「理生さんをしのぶ会」の宗方さんのお父さんが急死したとの事。お悔やみ申し上げます。明日はオレが4劇団の演出家を連れて回るしかない。

岸田理生という愛すべき奇妙な「人間」の全てをグロテスクに描いた稀有な劇作家の「連続公演」は、「在る」ものしか信じられないどうしようもない「想像力」の欠如した若者達に劇は「成る」モノだと教えてくれる。そして「世界演劇」の地平を私たちに教えてくれるテキストである。

そのために、「今こそやらねば!」と思う。

2ステージ。ヘロヘロになりながらもイイ感じ。がんばろうぜ。楽しく。

今日のビデオ。キャロル・リード監督『第3の男』の残り。明日は日刊ゲンダイ。明後日は『永遠』の本読み。やるぞ!!!

あと4日是非多くの人に見てもらいたいものだ。

 

6月7日(火)

日記は休み。今日のビデオ。『第3の男』(キャロル・リード監督):『永遠』の新聞社廻り。読売、日経。

6月6日(月)

日記は休み。今日のビデオ。『アラモ』(ジョン・ウェイン監督) 『続・荒野の7人』(バート・ケネディ監督)

6月5日(日)

日記は休み。今日のビデオ。『隠し剣、鬼の爪』(山田洋次監督)

 

6月4日(土)

2日目。11時ダメダシ。11時半から1時間プロローグとシーン8の稽古。1時間ちょっと。今日も8割の入り。このメンバーで芝居をやっても満員にならない演劇状況てなんなんだろう、と愚痴の一つも出るが、客の入りよりもいま私達が成すべき事をやるしかない。いつだって時代と戦うしかない。昨日よりかなりキッチリしたモノに変わった。ただ、演出部的ミスが2回。それも致命的なことが、しょうがない。明日キッチリやるしかない、そして明日の作り直しで終わりにする。

うん、この「カーテン・コール」もなかなかいいんじゃない?

久しぶりに九條今日子さんとしゃべる。PARCOの元社長M氏の夫人と一緒にみにきてくれたのだが。寺山修司の詩と短歌をカナダのソルト・スプリングのしのぶさんとピーター・レビット氏が翻訳・出版したいという依頼について話す。・・・九條さんも「古希」とのこと、そうか寺山修司と九條今日子は70歳だったのだ。高取、シーザーと計らって「お祝い」やらなければ!!

ク・ナウカの宮城さんが周知の韓国の馬さんと劇団ヨハンザ(自由旅行者)のジュン・ウン・ヤン氏と彼のメンバーをつれてきてくれた。2年前「夏の夜の夢」をじつに面白く解体した芝居を見たことがある。馬さんが、来年夏韓国に『盟三五大切』を持ってきてくれ、私がプロデュースするからと言ってくれる。坂手作品も韓国で上演されるとの事。いいんじゃないか。

なぜか、今日は流れで新宿ゴールデン街。シアター・ガイドの社長I氏とばったり会い痛飲。何故か、ストリッパーになったという伊地知に会う。今度ゆっくりしゃべろうぜ!と言う事になる。青山の「青い部屋」で伊地知ら「紫ベビー・ドール」のショウをみることにする。それにしても5時から10時まで飲み続け、だめじゃないか。

今日で『戦場のピクニック・コンダクタ』の日記はおしまいです。皆さん兎に角見てください。面白いです。人が年をとる事の楽しさを今回ぐらい感じるのは・・・無いでしょう。劇場で待ってます。僕は元気です。

『永遠』の稽古が6日後には始まります。とってもスリリングな「現場」になる予感がします。去年の『永遠』とはまったく違うものを一から作ります。私はいま、とってもピュアに芝居に向かい合ってます。それでは。

 

 

6月3日(金)

ついに初日。12時からイロイロやって、3時ゲネプロ。やれる事は試して、7時半何とか開いた。面白い、何処にもない芝居が出来上がった。キンチョーのなかでがんばる役者達に感動。私自身が一番興奮していたのかもしれない。初日の凄さは何度味わっても面白い。

終演後のキョトンとした客の反応。だがそれもまた良し。今まにでない芝居には近づいてる。もっと、ハード・エッジの芝居。
カーテン・コールは明日キチンとやろう・・・、やります!

明日は11時ダメダシ。11時半から1時間稽古。
これだ、まだやる事は残っている。ざけんな、[古き良きアングラ]なんかじゃない!!

『ハイ・ライフ』のグラン・プリの賞状、初日乾杯の時貰っちゃった!!アリガトさん。

それにしても、ア・プリオリに全てを「演劇」に、リアリズムの呪縛にとらわれている無知で自閉している日本的演劇構造をぶっ壊したい!!

下北沢恒例の、「佳月」で村田と飲む。そのあと「紘子」で本多社長と飲む。で、「ふるさと」。いつものコース。兎に角幕は開いた!今だ!新しい戦いが始まっている!!と書いてるのは3時近く。アジア予選バーレーン戦、前半小笠原のシュートで1点!で寝る。

 

6月2日(木)

朝9時から明り作りの予定だったから8時過ぎに高田馬場から下北沢に向かう、久しぶりのラッシュアワー。凄い込み合い。新宿まで乗って疲れる。マックで朝のセットを買い劇場入り。タイムテーブルを見たら10時から、沖野が遅刻して45分遅れで作り出す。沖野の明りは面白い。が、いかんせん、時間が足りない。いつの間にか役者を入れての「場当たり」の時間。7時半から1回目のゲネプロの予定だったが無理。ムーチョ、ゴメン。

8時半から前半のみ「通し」明日12時から後半をやる事にする。ま、ラストシーンを今日作り直したことも原因か?坂手も見てイロイロ感想。ご意見、もらえるものはあり難くもらう事にした。

久しぶりの「ふるさと」で軽くのむ。明日から毎日かよ?

最終的に確認する事は、相手役のセリフをきちんと聞き、きちんと相手役に話すってこと、実にシンプルな答え。アクションとはリアクションかよ!!

羊屋の衣裳はいい。見事にこの芝居への彼女の思想を徹底して表現している。フツーの衣裳デザイナーとはまったく違う角度から作品作りをしている。そういった意味ではサイコーのコラボである。照明も音響もそうだが。

みんな明日、楽しもうぜ!あとひとがんばり!!

 

 

6月1日(水)

あ、昨日の事を書きます。瓜生さんのカンカン帽を探しに朝はやくおきて、木馬館の裏手にある帽子屋に行った。ありました、カンカン帽。スィング・ジャズの人が使ってるやつで格安のがあるわよ、と言われ、大枚5千円近く払って買い求めた。

11時近くの仲見世も六区も修学旅行生でいっぱいだった。中学生の群れと中国人観光客。とつぜんの通り雨でゆっくりエンコでメシも食えなかった。修学旅行て京都だったな。

 

今日は、朝9時から本多で仕込み。私は11時から明治大学のリバティ・タワーのレストランでカナダモントリオールの劇作家で俳優の「ロベール・ラロンド氏を囲む会」に出席。反骨精神溢れるアメリカ大嫌いのフランス系カナダ人、インディアンの血も混ざってるそうで、旧知のトムソン・ハイウェイに似た同時代人。モントリオールには再来年の秋に『盟三五大切』をもって行くつもりと話したら、世界40カ国以上の参加の国際演劇祭に来いとすすめられる。

 

1時過ぎに劇場入り7。巨大なセットの「木」が立っている。凄い存在感だカッコイイ。水谷さん、有難う。5時から明りのシュート10時まで。沖野が新兵器も用意した。明日朝9時からの「明り作り」が楽しみだ。ミカリも羊屋もうちの女優たちも全員で衣裳作り

朝日、読売、東京の夕刊に公演の告知が大きく載っている。瓜生さんの「80歳の初舞台?」の記事。シュートの合間に瓜生さんと食事、またイロイロな話を聞く。明日、ドイツ語の歌を歌ってもらう事にした。「続・殺人狂時代」の時の仕込みの時も、観世榮夫さんの好きな「乾杯の歌」を歌ってもらったが、今回は瓜生さんの大嫌いな「ナチス親衛隊のうた」をお願いした。「戦争」のおろかさを伝え続ける大先輩たちに感謝。

ラスト・シーンも決まった。明日、全てが決まる。2時から場当たり。7時半から「通し稽古」という名のゲネプロ第1回目。音響チームが一番大変だろうな!!がんばれ島、岩野!!兎に角今日は、みんなお疲れ様。

明日がんばろうぜ。メチャクチャカッコイイ芝居なんだから!!

5月31日(火)

最後のベニサン・スタジオ。もう変えちゃダメだろ、というのに徹底して最後まで面白い出来事=人と他人が出会う事にこだわり作り続けた。インダーさんのシーンを全部当り、後半を作り変えた。

明日仕込み、明後日場当たりだけどまだ試せる事は試し続ける。本番が開くまでまでが私の仕事!!

最初の通しから5分「短かく」なった。別にセリフもシーンももカットも無しで短んだのは関係が「濃密」になったのだ。あっという間の1時間40分。スリリングでサスペンス溢れる私には珍しい愛のハード・ボイルド・ドラマが出来上がる。

空間と時間を役者体がうめている、それだけでいい。そこに芝居への「愛」と、しんどいけど「他人」と関わりたいという「欲望」さえあれば・・・・。

明日朝から本多劇場入り。仕込み、明り、音響作り。劇団の総力戦である。疲れている暇はない。衣裳面白い。音楽もインダーさんのダンスもイイ。ラスト・シーンは凄いぜ!!

昨日、日記にカンカン帽を探していると書いたら、昔の劇団員から電話がかかってきた。お陰さまで見つかりました、有難う。劇場で待ってます。

 

5月30日(月)

雨の中清澄白川から徒歩15分早足で稽古場。1時から再び話し合い。あと2日、ホントに大詰め。でも、今日も作り変える。戦場の「おと泥棒」との対決シーン。全面的に動きもミザンも全て作り変えた。まだ明日まで!!やれるだけの事はやる。

5時から通し。音楽劇だからもっと緻密に「キッカケ」を決めなくては、だが?

それから、急に出番が増えたインダーさんとのコミュ二ケーション、ちゃんとしなければと反省。ごめんなさい。明日ちゃんと言います。稽古が終わり夜の浅草に瓜生さんのパナマ帽を探しに行くが、見つからず。いま、カンカン帽、ストロー・ハットの類を探してます。これ読んで貸していただければ嬉しいです。

KONTAの衣裳は宮澤賢治で行く事に決める。衣裳がこの2、3日で決まっているので現場はバタバタ。でも何とかなる。

前半戦のチケットがあまり売れてないとの事、席は3日間とも「余裕あり」。是非、お早目のご来場をお待ちもうしあげます、である。最近Space早稲田でばかり公演していたので6ヶ月ぶりの本多劇場での公演といってもこの間6本芝居やってちゃ、制作はきついか!!ま、がんばろう、面白い芝居を作るしかない。

夜は久しぶりのお好み焼き。明日はべ二サン・スタジオ最後の日。明後日から本多。やれるだけの事をやるしかない。

 

 

5月29日(日)

半蔵門線に乗り清澄白川から約20分かけて稽古場まで、羊屋さんに頼まれた衣裳のバッグを持ちながら汗だくになってたどり着く。

1時からシーン1から小返し。前半の決め稽古。プロローグは暗転にする。骨箱を持った行進3回は1回に。3時からインダーさんの動きの決め。兎に角、テンポと次のシーンが常にクロスするように間を短める稽古。

6時半から衣裳つけての5回目の通し。5分短くなった。快調、あとは、全てのエネルギーをぶつけて相手役としゃべってくれればいい。ベニサンの瀬戸さんが見て、ガムランの音を聴いているといい音楽なので眠くなる、との事。確かに催眠誘導のアルファ波を発するのがガムラン。いいんじゃん。別に眠ってもらってもいい。ただ役者のエネルギーで、違う興奮を作るしかない。

音楽最終きめは明日。衣裳も。それにしても、本当にギリギリまで決まらないのがオレの現場。おまけに演出助手の帆足に祖父の危篤の報。大分に帰らせる事にする。

明日、明後日の2日とも4時から通し。あと2回。何とかなる。面白い。兎に角多くの皆さんに見てもらいたいものだ。私の作品の中でもかなり異色の作品に出来上がっている。瓜生さんは安心してみてられる、まさに「ナマモノ」の凄さと集中力だ。全員が見習ってもらいたいものだ。芝居になれないこと、何が起こるかわからない、そんな作品に向かって最後のエネルギ^を!!

11時過ぎからNHK教育TVで片岡仁左衛門の河内山の黙阿弥『天衣紛上野初花』を見る。

 

5月28日(土)

お昼過ぎからシーン7戦場の場イロイロやってみるがまだ完ぺきではない。まだまだ試してみよう。今日は通し2回だから2時半には稽古をとり、3時から1回目の通し。昨日より確実によくなっている。1時間45分は変わらず。ダメダシ30分。

2回目の通しは6時半から、食事休憩に1時間ちょっと、兎に角やってみる。セリフも1、2箇所ロレッたところもあるが、まったくプロンプなしでほぼ完ぺきあった。いい感じ。今回は1字1句たりともセリフのカット無し。そのままキッチリしゃべってくださいと稽古はじめからいい続けてきた。坂手洋二の言葉にこだわって芝居を作った。多分、おれにとって初めてに近い経験である。

1時間衣裳合わせの1回目、羊屋さんのイメージを全員にしゃべり具体的に明日以降付けてみる。月曜までには決定。

若杉、拓平、米山、畝部、直美といった劇団員が「通し」というのでどんどんやってきている。稽古場も小道具作り、衣裳製作と本番近かしの雰囲気。

今日の本。井上ひさしの「宮澤賢治に聞く」を読む。ビデオは今日も韓国映画「猟奇的な彼女」。

腕立て伏せ20回でよれよれ、30回やってみたが。腹筋も30回でヘロヘロ。いや、こんな事じゃケンカなんか出来ないじゃないか。まだ、57歳、ガンバリマス。

 

5月27日(金)

いつものように1時から稽古。始める前に昨日の通しのダメダシというより、感想をみんなにしゃべる。姉弟と小川君のシーンの小返し、とKONTAと若松のシーンの小返し、あと瓜生さんを入れた集団の動きをミッチリ。が、明日もやるしかない。今日は早めに5時から2回目の通し。

昨日より断然いい、キッチリ相手役との関係を探す芝居になっている。イマイチの戦場の「おとどろぼう」のクライマックス・シーンを明日作りこむ。それからプロローグも作り直してみる。

疲れのピーク。いつもより早めに稽古を取る。といっても、役者たちは、食事休憩を取ってないからいつもと同じ稽古時間か。スタッフは稽古が終わっても仕事はまだいくつも残っている。衣裳も大体の方向性が決まり、羊屋さんが忙しそうに動き回っている。

明日は2回通しの予定。12時稽古開始。2時と6時の2回。物語の流れをきちんと体に叩き込んでくれ。1時間45分緊張感あふれる舞台にしたい!!まだまだやれる事は沢山ある。そうだ、インダーさんの落とし前がまだ付いてない。コラボレーションの何たるかを?ラストシーンもまだ一考ありだ!!もっとデビッド・リンチ風にだ。

そういえば今日は全然食事してない。珈琲とまんじゅう1個だ。焼肉でも食うか。それにしても飲みすぎ、吸いすぎ1日4箱は多いだろう。血圧は確実に高く始終ボーとしている。それでも、気休めのアルカリイオン水とヘルシア緑茶とアミールSとアーモンド・チョコに頼りっきりの稽古場の日々である。そういえば1年間病院にいってないな・・・。腸と肝臓と胃と心臓の再検査の通知が「1年前」に届いてったっけ。本番が開いたら病院行くか?

朝になって読み直す。酒の勢いか、身体の泣き言ばかり書いていてイカン、反省。瓜生先輩をみろってんだ。明日から腹筋30回腕立て伏せ30回朝晩2セットやるぞ。で、清澄白川から歩いてベニサンまで20分コース!!

中国映画にはまっている。今日のビデオ。『2046』 『英雄』 ようするにチャン・ツィーにはまってるのだ。

 

 

5月26日(木)

朝早く起きる。といっても8時過ぎ。田園都市線用賀10時半、17年ぶりにいまや伝説と化している大野外劇『ラスト・アジア』の懷かしき聖地に立っているビルの近くのFM世田谷に行く。そうか、『ラスト・アジア』の主演トリオと今17年ぶりに芝居をやってるのだ。3人とも「20年以上」の付き合い。久しぶりに1ヶ月芝居を作っている事実をきちんと楽しみ、そして新しい実験を!である。

FM世田谷のゲスト。小川輝晃の土曜夜の番組の収録。小川との付き合いも6年以上、10本近くの作品を一緒に作っている。そんな話を30分近くトーク。考えてみれば、40年近く下北沢で飲んでるし、青山学院大学の学生時代から、思えば、三軒茶屋近辺に住んでいたっけ・・・。で世田谷の話もしきり。私の後のゲストは壱組印の草野君とのこと?

 

1時から6時まで、取りあえず全体をあたり、6時45分から初の「通し」をやった。兎に角途中で止ることなく最後まで。1時間45分。なんとなく全体像が見えてきた。ダメなところもあるが役者たちはそこは自覚している・・・・。

坂手は作家だから言葉の問題をいくつかいっている。確かに根拠としてのセリフをキッチリ捉え、他人と関係するしかない。「他人のセリフ」をキチンと聴けばいい、それだけ!!といえば簡単だが・・・。あと1週間。何とかなる、面白い芝居になることは見えたし確信。テンポ、とたたみかけるスピード。あと緻密な関係の組み合わせ。

坂手と瓜生さんと照明の沖野、衣裳の羊屋さんたちと蕎麦屋で焼酎のみながら芝居談義。

明日からがほんとに楽しい追い込みである。頑張るぞ!!!そうか、インダーさんを「音の天使」にするって手はあるか?なんて妄想にとらわれているぞ。

 

 

 

5月25日(水)

今日は瓜生さんは休み。

若松の仕事の都合で12時稽古開始。後半の小返し。全員との動き。ラストまで休みなしで3時間ミッチリ。でもまだ完ぺきじゃない。

北村真実先生と3時から7時過ぎまでこれまた食事休憩なしで4時間ミッチリ動きのチェック。当然、芝居の中の動きだから、決まりきったものではない。どんどんキッカケも変わってゆく。決めたとおりに遣ってくれりゃいいってものじゃない。まだまだ、時間がかかるな・・・・。

 

わたしは役者の意見はどんどん聞く、聞きすぎるほどだと言われるほど、わたしは聞く方である。でも結局は舞台に立つのは役者、ただ役者の都合のいい様にはしたくないし、しない。だからギリギリまで決まらない「現場」になる。だから、困るのはいつもスタッフ!!「物語」とそれを「物語る」役者の肉体に「批評」を加えたいのだ。

8月に予定している北川徹の新作『静かなうた』の演出を北村真実さんに頼んだのは「言葉」という「意味」という名の「病」にとらわれている役者にテメエのカラダの根源を見つけてもらいたいと思ったからだ。「セリフ」のない芝居をやってみたい!!やろうぜ!!ということ。今回の芝居もそういった試みへのトバ口になれればいい。

いつもより、少し早く終わったので、森下の魚三で1人で飲んでいたら真実さん、ムーチョ、尚、弘子がやってきた。

10過ぎに帰宅。ビデオ、ウォン・カーウェイ監督の『2046』。明日は朝11時から用賀でFMラジオのインタビュー。2時から稽古。

6時からセリフがとちろうと何でも兎に角「通す」。ここまできたらやりたいことをカッコつけずにやるっきゃない。いや面白くなってることを確信している。

 

5月24日(火)

今日は稽古は休みだが、私自身は大忙しの日である。11時から1時半まで新宿御苑の日本演出者協会のジムショで理事会。ここでの理事会も今回で終わり、6月には初台の芸能花伝舎にジムショが移転する。10人、来年度の事業についての打ち合わせ。国際演劇交流セミナーの8月にはベラルーシ演劇特集も決定。来年3月の「劇」小劇場での若手演出家コンクールと「演出家フェスティバル」についても決定。「演出」てなんだ?てバトルがしたい。世代を超えて批評しあう「場」を!!

2時前に新橋演舞場前で瓜生さんと待ち合わせ。朝日新聞の取材。5時から大手町で産経新聞の取材。瓜生さんほんとにお疲れ様。きょうもいろんな事を横で聞いてためになった。ちなみに「歩兵操典」によれば行進は1分間に114歩だそうな。長崎の原爆投下の翌日長崎で死体の収容とか様々な仕事をしたという。20歳の大学生であった瓜生さんの体験がこのドラマに反映されるだろう。今回この大先輩に会えた事が最大の財産である。氏の姿を見ているとあと20年ぐらい生きてみたいと本気で思う。私はタデウシュ・カント―ルになりたい。

6時過ぎから劇団総会。早稲田の演劇博物館の第2次展示についての打ち合わせ。イワヲと塩野谷がチーフ。6月演博がリニューアルします。乞う、御期待。

7時からベニサン・ピットで上演中のtptの『桜の園』を総見。2時間15分のわかりやすいニュー・バージョン。面白い、私は4回様々な形でこの台本をテキストにして上演している。とりわけ楽塾で2回翻案バージョンを上演しているので、今回のtpt版は参考になった。

二瓶さんと千葉良し。石橋けいはカワイイ。、亨、ギター上手いじゃん。デモ、何故、いま「コンテンポラリー」としてチェーホフを演る根拠が見えない。演出家が20代ならもっと、チェーホフの劇世界を本気でぶっ壊すつもりで遣ってくれ!て、ものだ。

そういった意味では、「楽塾」の役者達のほうが圧倒的にわかりやすく、辛く、愛し合っていたゾ?ま、とにかく皆さん2週間がんばってください。

さて、明日は12時から本当に追い込み稽古。そして、振付最後の日?明後日は「初通し」の予定。坂手も見に来る予定。あと、10日、カウント・ダウンの始まりである。劇団でしかやれない事に近い「このメンバーでしかやれない事」をキッチリやる。

 

 

5月23日(月)

2時から後半のクライマックス・シーンとエピローグのシーンの小返し。6時まで3時間たっぷり。KONTAと若松のシーンの小返し。戦場シーンに入ったところで時間。瓜生さんが昨日足が吊ったとのこと。匍匐前進、行進と80歳の新人に対してかなり苛酷な事をオレやらせているんだな。おまけに明日は「休み」だというのに朝日、産経の取材まで付き合ってもらっている。スミマセン、明後日の稽古は瓜生さんは休みにした。

稽古中に事務所の米山から電話。4月に名古屋で上演した『ハイ・ライフ』が第5回愛知県芸術劇場演劇フェスティバルのグランプリを受賞したとのこと。嬉しい限りである。塩野谷と小川に早速報告。スタッフでツアーについていった七緒も嬉しそう。まあ、『ハイ・ライフ』の面白さが多くの人たちに支持されることは素直に嬉しい。またツアーでお世話になった人たちに感謝。

今回の芝居も役者の凄さと演劇でしか出来ない想像力あふれる作品に仕上げようと悪戦苦闘している。『ハイ・ライフ』を超えるべき集団のエネルギーが爆発する「アナーキーなおとぎ話」を目指しているんだが・・・。

 

明日1日休み。明後日が気になるとこの再点検。26日から通し稽古にはいる。上演時間は1時間45分位を予定しているんだが?

今夜は取りあえず祝杯。千葉と若杉にも電話。

 

5月22日(日)

今日は休みの予定だったので、楽塾の総会を入れていた。1時の予定を12時に変更。来年の事を決める。再来年本多劇場5月3日〜6日6ステージは決定。来年は4月28日〜5月6日Space早稲田9日間15ステージを決定。取り合えず来年まで早稲田でやろうということになった。来週から取りあえずシェイクスピアの『十二夜』の読み合わせ。秋には何か作品を決めて自主発表会を集団演出でやろうという事に決める。去年もやったが「1年がかりで作品を読む」という贅沢な事から今年もはじめる。

1時半からラストシーンまでの動きを決める、真実先生と一緒に。軍国調の行進、またしても瓜生さんの時間。行軍3とかなんとかで1分に113歩とのこと。

6時過ぎまでミッチリ。取りあえず動き、のチェックは終わり。7時から前半から軽く当る。明日から小返し。坂手の台本を以下に「誤読し集団の劇」として構成するか?

24日は休み。残り1週間で何処にもない芝居に練り上げたい。羊屋さんの最終衣裳プランが明日出てくる。やることはいっぱい残っている。そうだ、エチュードやろうかな。台詞より「関係」と「空間」を再確認するために。それはいい!!

今夜は宮沢賢治を読むか・・・。

 

5月21日(土)

やっと後半に突入。おとどろぼうと戦うシーン、戦場のシーンにはいった。戦車をどうするか・・これでいいよと考えたものが台車。これでアラバール的世界だ、と若松。

1幕のラストシーンと呼ぶべきところを作る。本当にほとんど全員出ている芝居になりつつある。これで明日ラストシーンまで当れる。真実さんと一緒に明日は前半から動きのチェック。

 

5月20日(金)

11時半、読売新聞の取材。瓜生さんの60年ぶりの舞台出演について。田中さんの取材を横で1時間あまり聞く、瓜生さんの演劇人生を聴けば聴くほど勉強になる。生地、北九州若松での演劇との出会い。火野葦平や文学座の「女の一生」の九州公演、新協劇団、6代目団十郎の芸の話、ポポロ事件、土方与志のこと、舞芸座の分裂の話、弟の発見の会の良介のこと・・・等。瓜生さんの60年以上の演劇人生に比べると俺なんか・・・である。それにしても「戦争」への憎悪は凄まじいモノがある。軍隊体験が瓜生さんの身体に染み付いている。匍匐前進のシーンの氏はさすがに違う。

1時から稽古。細かく作る。兎に角、エネルギーあふれる芝居にノンストップの息詰まるシーンの連続としてこの芝居を構成したいものだ。「微妙に歪み続け侵犯しあい変容する劇」。

5時まで前半をもう1回練り直し。明日こそ後半戦!!動くぜ!!

7時からシアタートラムで坂手の新作松本芸術館の「いとこ同志」をみる。今回の「ピクニック・コンダクタ」と同系列の芝居。ねじれた愛のドラマでもある。セカチュー的芝居の部分もある、と坂手を茶化す。それにしても美佐子さんがとても色っぽかった。串田さんもキッチリ芝居をやっている。若い2人はどうでもいいが、なかなか大人2人のヘンテコリンな状態がいい。もっと訳わからなくすればいいのに・・・・?!

三軒茶屋で坂手と美佐子さんと軽く飲む。また近いうちに美佐子さんと芝居したいものだ。帰りに久しぶりに池尻大橋まで歩き「マッチ棒」の和歌山ラーメンを食べ1時過ぎに帰宅。

 

 

5月19日(木)

いつものように1時から稽古。何とか後半戦に突入できたらと想い、稽古を進めるも夕方、クライマックス・シーンに入って止ってしまった。「おとどろぼう」というこの芝居のテーマについて1時間以上の「話し合い」となる。別に深刻な事ではないし、いつもの現場の風景である。俺が勝手に思っているテキストの読み方と役者の読み方と役の作り方のズレ。いつものように塩野谷正幸が口火を切った。

演劇の実験と、演劇でしか出来ない冒険を「集団的想像力」として作り上げたいという欲望が人一倍に強い塩野谷にとって、役者の共同確認=認識の場がどうしても必要なのは判っている。だから、この時期に、この時間を持ちたかったのだろう。

 

この時間は、いつも思うのだがもっと「早く」やれよ、とテメエに言い聞かせながらも何時もこんな調子。

オレは稽古の過程で生まれた異物が好きだから、早めの整理をしない。だからどこまでも現場はカオス的状況の中にあり、多少に分裂的世界が放り出されっぱなしの様相を呈する。

多分一生オレの芝居はこんな物。所詮、芝居は常にその「集団の現在」をみせるものでしかない。

なにが、戯曲だ、演技だ、演出だ!!100のゴタクより1000の動き。動き回ってナンボの世界が私の思う「演劇」。真に思想し、疾走する身体を求めて。動き続ける「複式夢幻能」であり「死の教室」のはてに「ゴドーさん」はヤッテクルカイナ?である。それって何!!の「橋掛かり」。あらゆる思想はドラマツルギーのことである。

 

もう一つのテーマ。音楽との格闘であり、そしてセッションである今回の芝居はやはり一筋縄ではいかない。今回の音楽はただの「劇伴」ではない。それでいて「音楽劇」であるという矛盾。まだ、一山ふた山ありまっせの苦しくも、楽しい現場である。

それにしても、衣裳、小道具と早めに決めていかなくては。あせる必要は無いが、あせりに似た感情もある。・・・・・・・「おとどろぼう」?!沈黙の音。聾唖の世界。

明日は11時半から、瓜生さんの読売新聞の取材。稽古。7時から坂手の新作『いとこ同士』をシアター・トラムで見る予定。今夜は何故か久しぶりに寺山修司の「暴力としての言語」が読みたくなった。

本屋で「さわりで覚える映画の名曲50選」のT・Uを買い求め聴きながらこの日記をつけている。

そして、今夜のビデオ。『世界の中心で愛を叫ぶ』の予定・・・

 

5月18日(水)

1時から稽古、3時から荒く前半の通し。約1時間。振付の北村真実さんに見てもらう。4時から振付、プロローグの全員の動きを決める。瓜生さんは大変だけどきちんとついていっているぜ、凄い。前半だけでも6箇所あまり、振付というよりステージング、芝居をより面白くするための演出的試み。

夏8月Space早稲田で上演する『静かなうた』という北川徹の新作書き下ろしの「演出」を真実サンに頼んでいるが、彼女の演劇的感性は『人形の家』『盟三五大切』の振付で実証済み。今回の企画の成功如何は彼女に負うところが多いだろう。ああでもない、こうでもないと言い合いながらいつものようにぶつかり合いながらつくる現場になっている。

食事休みも15分しかなく何とか前半の、取りあえずの「振付」が終わる。

明日から後半戦。3日で何とかラストまで「役者の物語の流れ」の目鼻はつけたい。来週からは「小返し」稽古に入る予定。シーンをキッチリ作るゾ。

 

9時に稽古終了。ベニサンの瀬戸さんと蕎麦屋で1時間あまり、軽く飲みながら、相変らずの馬鹿話。インドネシアのベニサンの工場の話や海外の話で盛り上がる。それにしても、芝居が好きな人である、頭が下がる。11時過ぎ帰宅。

今夜のビデオ。ポン・ジュノ監督の名作『殺人の追憶』。ほんとに、韓国映画にはまりっぱなしの今日この頃である。3時就寝。

5月17日(火)

 

1時からラストの前のシーンの台詞割り。1時間半本読み。明日まで前半の稽古だが、一応ラストまでのイメージを作るために久しぶりの読み。やはり今回の本は宮沢賢治の「妹の力」だぜ?

今日は若松がNGなので舞監助手の里美に代役になってもらい稽古を進める。里美、塩野谷、大和とやっていると去年の『続・殺人狂時代』の稽古を思い出す。そういえば、この3年間いつも6月になると本多劇場で「戦争と人間」のドラマばかり作っているな。レギュラーの観世栄夫さんではなく今年の長老は瓜生正美サンの違いか!!

その瓜生さん中心のシーンを2時間近く当り、最後にプロローグの動きを全員であったって今日は7時過ぎに早めに稽古をとる。インドネシアグループと瓜生さんは飲みに行った。敬愛する最長老は80歳過ぎなのであまり飲んじゃダメと釘をさす。

いつもより早めに9時過ぎには帰宅、高田馬場を散歩?今夜は、金は無いけどしゃぶしゃぶでも食うか。

10時からビデオで遅ればせながら松尾スズキの『恋の門』を見る。『オールド・ボーイ』や『インファナル・アフェア』を見た後に見ると、なんじゃこりゃ?である。日本映画の貧しさの極み。で、口直しにとクサナギ君の『ホテル・ビーナス』を見る。で、結局2時過ぎに就寝。

明日は前半の通しと、前半の振付。本番まであと16日か。

ウツラウツラしながら、岡室美奈子:編「知の劇場、演劇の知」をめくる。すぐ寝れた。

 

5月16日(月)

 

今日からベニサン・スタジオ入り。4ヶ月ぶりの森下。朝から稽古場作り、仮のセットが出来ている。舞台の真ん中に巨大な木(コンクリートで出来ている)が立っている。舞台の上手の後ろにはバンド3人。下手は緩やかな丘、それだけ。密閉された「廃墟の終末的世界」のイメージ。

2時には役者も全員そろい、舞台の説明。音響のオペレーターはなんと寺十吾の弟!!いま寺十は大腸炎の手術をし入院中、あと1週間ぐらいで退院との事。お大事に。秋にはスズナリでケラ作品で久しぶりに仕事をする事になっている。

3時から前半の稽古。少しずつ作る。兎に角良く動く芝居にしたい。瓜生さんが台詞は全部入っているんだが、時々抜ける、そうすると妙にライブになりスリリング。が、まだ時間がある。

大和と塩野谷の「奇妙な2人組」が面白い。行くところまで行って、より不条理でワイルドでバイオレンスな世界にして欲しいものだ。

そうすると、もう一つの「メルヘン」と「戦争」を私がどう描くか「演出の力」が問われる。

若松とミカリのシーンは色っぽく?で・・・。小川のシーンまで何とか当る。1日8時間稽古。まあ、あせる事は無いんだが、あと17日!!それにしてもベニサンの稽古場に来るとイロイロな事を思いつく、やはりここには「演劇の神様」がいる?更なる妄想を!!!

稽古が終わり例によって「とん八」で飲んでいると、tptの「桜の園」に出ている千葉哲也がやってくる。「ハイ・ライフ」のメンバーが揃い芝居の話に花が咲く。いつものように「森下の日常」が始まったのである。少しほろ酔いでふらつきながら終電前に帰宅。西堂行人氏から贈られた新刊「韓国演劇への旅」を走り読む。日韓演劇交流センターのニュース・レターに掲載されていた「韓国のドラマティスト」をまとめた物。イイ本である。

 

5月15日(日)

 

朝11時から研究生公演のためSpace早稲田で明りあわせ。里美はこの1日大変な事となる。3日前に言われたばかり太郎も。2時間くらいで終わると思いきや3時半までかかる。5時からゲネプロ。ボロボロ、これで本番できるのか?と想いトップとラストを小返し、最後の悪あがき。

7時近くなると40人を超える観客。といっても劇団員、リュウズ・クラブ、楽塾、そして、塩野谷、悪源太、その他といった人々がビールとつまみ片手に入場。ほぼ満員。幕が開く。笑いと緊張感あふれる約1時間。

「ローラのいない 『ガラスの動物園』 」という何処にもない芝居の幕が開いた。4月の入団以来、たった2週間しかこの役者達と付き合っていないが、この1週間はコアに、より濃密にこの戯曲と付き合ったつもりである。面白い台本である事はわかった。20歳の研究生の啓太と健志の2人にとっての「リアリティーの行方の捜し方」である。

まあ、楽しく疾走するコメディーにはしたつもり。健志も啓太も舞台女優デビューの麻衣も持てる力を全て出し切って本番は楽しんでいた。嬉しかった。こいつらのおかげでまた楽塾とは違った意味での「芝居の原点」を教えられた、感謝。
そして今日観てくれた皆さんにありがとう。これから3人をヨロシク。

さて、明日からベニサン・スタジオ、いよいよ正念場。本当の「演劇の冒険」が始まる!!

 

 

5月14日(土)

今日は深夜に照明仕込み。明日はいよいよ本番だ!
という訳で今日も1回休みを頂く!

明日の発表を乞う御期待!!!

 

5月13日(金)

研究生の稽古、取りあえずのセット?を木暮、太郎の協力で作る。太郎には音響もやってもらう。4時の通しには里美も来てくれた。照明も何台か吊るつもり、明日『ピクニック』の稽古が終わった後、吊りこみ、15日朝から、簡単な明りあわせの予定。おっ、本格的!!客も五人まで呼んでいい、といったら3人とも少し緊張したようだ。インダーさんが椅子の使い方、ポージング、などをレクチャー。面白い。明日も、いろいろサジェスチョンをもらう予定。

7時から文学座アトリエで佃典彦の新作『ぬけがら』を見る。面白い、松本祐子の演出。役者がいい、いろんな世代の役者が佃の台詞と格闘している。俺もこの作品演出したいと思った。いや、50代の「親父の役」出たいと思ったのが正直な感想。佃の本は役者が面白くなきゃダメ!!それにしてもこのアトリエはいいな、うらやましい限りである。

明日が早稲田の最終稽古、サラット、前半当りたいものだ。KONTAとヤヌーたちは今日1日音楽稽古。すてきな音楽が出来つつある。ワクワクするぜ。

 

5月12日(木)

研究生の稽古、5時半まで。なんとかラストまで見えてきた。少しずつ3人のチーム・ワークも取れてきた。後は、3人が「芝居を楽しむ事」を覚えてくれたらいい・・。

それにしても、啓太は歌えない、動けないヤツだな・・・。走り回り歌いまくる芝居がやりたかったんだがな?あと、3日か・・・。

6時から、プロローグのシーンに取り組んでみる。ああでもないこうでもない、と言い合いながら2時間近く。明日は休みだから、土曜日真実先生に見てもらって、本格的にプロローグに取り込む予定。

瓜生さんと大和、トモの親子とミカリと七緒の姉弟と小川のシーンを作る。瓜生さんも台本を離した。なんとか来週からのベニサン・スタジオでの小返し、決め稽古、振付、音楽とのコラボに突入できそう。

文化庁にインドネシアの演出家・エディー・スヤントと今回の音楽家ヤヌーの国内留学を申請していたのだが、ヤヌーは不採択、エディーは採択。いや残念。来年もう一度申請するか。明日13日は研究生の稽古、佃典彦の新作「ぬけがら」を見るために7時文学座アトリエ。

 

5月11日(水)

今日は日記休み。朝までビデオを観るのだ。では、また明日。

 

5月10日(火)

 

研究生公演。さて、本格的に稽古と思いきや、1人が辞めた?!とのこと。ホントか?オイオイ、どうなってるんだ?兎に角、ローラ役がいなくなった。全部作り変えるしかない。台詞は入っているので3人の 『ガラスの動物園』 にする。それにしても1ヶ月も持たないやつは初めてだ。≪不在のローラ≫を巡る芝居に作り変えるしかないか。まあ、これも面白い体験だ。それにしても昨日は楽しそうにやっていたのに・・・ちょっと怒鳴りすぎたのかな。

6時前に改訂台本出来上がり、メール到着。コピーする時間よりうつしてもらおう、と思い台本直し1時間。本読み。後半はかなり改訂され「戦場の・・・」のタイトル通りの幻想劇。

台本はとりあえず上がった。これからが私の仕事。羊屋さんと遅くまで衣裳の打ち合わせ。明日は動き、も入ってくる。本格的な稽古。

糸井重里の文庫本「言いまつがい」を深夜3時まで読んで爆笑。疲れた脳味噌と身体を癒す。あ、これ研究生の芝居に使おう!!

 

5月9日(月)

 

午前中から自主稽古している研究生4人とお昼過ぎから5時間みっちり稽古。セットを作る事から「芝居」にしていくドラマとして『ガラスの動物園』 のテキストを使う、という事からはじめてみる。それでいて全員にソロ、或はデュエットをやらせる事にした。最後の3日間はインダーさんの振付??もあり。いや、15日は盛りだくさんの新人お披露目発表会になりそう。

5時ギリギリまで稽古していたらインドネシアから待ちに待った楽器が到着。ガムラン他イロイロ凄いものが稽古場に持ち込まれた。なんともいえないいい音色、ここはジャワ島?て感じ。若松は触りっぱなし。

『ピクニック・コンダクタ』荒立ち稽古2日目。時折、KONTAのソプラノサックスとヤヌーのギターアリフのガムランが即興で入っていく。いやあ、凄い。音楽の力は凄い!!明日から音響的なものも加わりだす。

これに、人間技とは思えないインダーのダンスが加わって・・・・・!?役者は「存在」すると言う事へ「情熱」こそが問われる。ベテランも今芝居を始めたばかりの新人も「舞台(イタ)」に立つ根拠は同じだ。これからの1週間は早稲田で昼夜稽古。疲れている暇もないか。久しぶりの若松、ミカリ、KONTA、初めての瓜生さん面白い。この調子でどんどん行って下さい。明日も荒立ち。早稲田で台詞を入れてもらえれば後はベニサン・スタジオで作り上げられる。あせらず騒がず、楽しくをモットーに!!

 

 

5月8日(日)

お昼の1時から海津義孝の出ている「踊るやくざシリーズ第10弾、命ある限り極道として」を池袋の東京芸術劇場小ホール2で見る。2時間ちょっと、総勢40人近くの役者、Vシネを思わせるようなヤクザ芝居。いや、疲れたな。海津さんお疲れ様。

 

池袋の町を少し散歩。安い珈琲屋で珈琲を飲みスポーツ新聞をよむ。そうか、プロ野球はセ・パ交流戦の真っ最中か?それにしても清原は笑わせるな。プロレスもインリン様とか?訳がわからない模様。あ、そういえば女子プロの風間ルミが今日の芝居に出ていたっけ。

 

6時から11時まで荒立ち稽古初日。12シーンの半分を取り合えず当る。途中で音響の島さんとKONTAの打ち合わせが入ったが、一気に当った前半を通して立って読む、約45分。動きと音楽のシーンを加えても1時間45分ぐらいの作品になりそう。

明日から3週間。何とかなりそう、いろんなことで遊べる面白い実に緻密に書かれたテキストである。明日「改訂の2」がやってくる??後半を明日は当ってみる、インドネシアから楽器も到着し音楽も入るゾ楽しみだ。

 

 

5月7日(土)

 

ちらっと、4時過ぎ研究生の男2人啓太と健二の歌稽古を覗く、一生懸命やっている。「そこ、走ってやってみれば」と遊んでいたら、たまたまそこに入ってきた、インダーさんがその姿を見て笑っている。で、コイツラと2、3日遊んでくれと頼み込む。振り付けというより、身体を見てもらいたくて来週稽古に付き合ってもらう事にした。ヤヌーも健二にギターを教えてくれる。健二もギターを始めて「3週間」だというのにその頑張りようはいい。5月15日に予定している発表会まであと1週間。エネルギー全開でお二人さん面白い作品に仕上げようぜ。

6時から全員で本読み、今日から参加の若松武史の読みは想像どおり、このキャスティングで上手くいくと確信。2時間脚本と空間の事などスタッフ、キャストでミーティング、討論。

明日から兎に角、立ってみよう!という事に全員できめた!

あと3週間試せる事は全部試そうぜ!。いや、楽しい事を集団でさがす実験的で大衆的な作品となること請け合い!今日は「アラモ」をビデオで見る。子供のころ、西部劇が好きだった。それも、何故かジョン・ウェインが大好きだった。大きくてダサい男だが私にとって一番の憧れは何故か、ジョン・フォード作品のなかのジョン・ウェインだった。高校生になって彼が右翼と知ったが、それでも死ぬまで何故か見続けた。「アラモ」は中学生の時、博多の映画館まで遠出して見た記憶がある。 40年ぶりにリメイクされたというので映画館で見たかったのだが・・・。

 

5月6日(金)

 

1時すぎから研究生のワークショップ。入団早々、2週間ミニのワークショップはやっていたが、楽塾公演のため2週間全員スタッフについた。一人は照明のピンフォロー、一人は映像のプロジェクターの操作、女の子は制作の受付係。いい芝居の裏方はいい経験である。

『ガラスの動物園』 の台本をテキストにして遊んでいる。急遽5月15日の夜、突発的新人お披露目発表会 『ガラスの動物園・抄』 をやろうとおもっている。全部、歌にしろ!といいかげんなことをいってやらせている。男2人はヘロヘロになりながら3時間もの凄いスピードで歌い続けて実に面白かった。明日は2時まで確実に覚えろ!と厳命。歌えるようになったら次は動きだ。

 

5時からKONTAがヤヌーと音楽の打ち合わせ。KONTAのギターをヤヌーに貸してやっている。インダーにはミカリの台詞のある部分をジャワ語でしやべってもらう事にした。明日全員がそろう。明後日から荒立ち。「複式夢幻能」の坂手劇世界を極彩色にするかモノトーンにするか、と羊屋白玉さんと打ち合わせ。役者達にとりあえず自分の考える衣裳イメージを出してもらう事にする。

雨のなか帰宅、紙袋が破けてCDが何十枚も雨の路上に散らばった。ガッデム!!寒くて風邪を引きそうだぜ。マズイ、今日は早く寝よう。

 

5月5日(木)

子供の日。菖蒲湯。

坂手君から改訂部分の「1」がメール。いよいよ稽古イン。とにかく「稽古場の力」だ。

音楽の持つ力、言葉の持つ力、そして身体の持つ力!その全てを加えた芝居という「集団」芸術だけが持つ「力」について考えている。

 

読まなきゃ、と思って今私の机の横にうず高く積み上げられている20冊以上の本。稽古、本番の連続で最近本を開く時間もない。「知の劇場、演劇の知」「ポストドラマ演劇」「言語の内と外」「演劇のことば」「私のモスクワ、心の記憶」「三島由紀夫十代書簡集」「力道山の真実」「鉛の兵隊」「遺書」「エロスの涙 」など・・明日からかたっぱしに「飛ばし読み」の予定。

新野守弘氏から最近贈呈された「演劇都市ベルリン」だけは一気に読んだ。力作である。感謝。

最近韓国映画のビデオにはまっている。「オールド・ボーイ」面白い!遅ればせながらの「ブラザー・フット」全然面白くない、ちなみに「血と骨」も期待していたが面白いとはいえないシロモノだった。映画館に行きたいな!足立正生監督の「13月」のシナリオを読む。うーん?!これってどうなの?70年代と今をシンクロさせまだ見ぬ革命を描くためには「今」私たちが何をやっているか、何をやろうとしてしてあがいているかをきちんと書くべきだと思うのだが?

で、顔合わせ、本読み。坂手も加わって実に愉しい現場。60年ぶりに「役者」をやる瓜生さんをふくめて12人のエネルギーの凄まじさに感服。キャスティング。

KONTAとヤヌーがギターを弾いている呑み会。これでいいのだ。明日は「本読み」2回、とにかく時間がない。「面白い」事の優先順位が問題だ。坂手が実に愉しそうに飲んでいた。まあ、面白い事やってやるよ。

明日改訂部分その「2」よろしく!!で、中国映画「LOVERS」を見て4時就寝。あ、今日はお昼から研究生の稽古だ!!                           

 

5月4日(水)

お久しぶりです。そうか3月14日以来の日記か・・・・。打ち上げの酩酊状態。まず表紙の写真から変えてみるか。あははっは(笑)。

この1ヶ月間『ハイ・ライフ』の札幌・名古屋・大阪ツアー、そして楽塾『真夏の夜の夢』の2本の芝居と格闘していた。『ハイ・ライフ』は3都市の演劇人に衝撃を与え評価も得たが興行的には大赤字、1000人の観客動員、渋い、渋すぎる。『戦場のピクニック・コンダクタ』はがんばるしかない。それにしても今年はベニサンピットの『南北連続上演』『夢の肉弾三勇士』と「満員」が続いているのに制作的には赤字の連続、根本的な改革が必要だ。

が、、楽塾は前売完売、追加公演のプレビューを加えて13ステージ連日超満員。Space早稲田始まって以来の約1000人の観客を動員し圧倒的好評の中、今日無事、千秋楽を迎えた。関係者に感謝!!まさに唯一のドル箱?1年に1回だから・・という劇団員の声。

8年間の着実な歩みがこの大ヒットを生んだのだと思っている。一人の脱落者も無く、メンバーは15人に増え、観客は3倍増した。とにかくいくところまで行くことにした。それにしても「役者」ってなんだ?と考えたこの1ヶ月間であった。『ハイ・ライフ』の4人の役者たちと楽塾の15人の役者の違いってなんだ?両方とも地も演技?もギリギリの所では同じ、というしかない。役者が「思う事」=演劇的想像力て何だと考え続けた1ヶ月であった。

来年はシアター・カイかベニサン・ピットで公演したいと本気で考えている。そして2007年の楽塾10周年は念願の下北沢本多劇場公演が決定した。いや、これは冗談ではありません!!

明日5日夕方から『戦場のピクニック・コンダクタ』の顔合わせ・本読み。1991年に坂手が書いた異色の作品を改訂し2005年の「今」出来る「演劇の実験」を試みるつもりである。インドネシアの音学家・ダンサーの3人も来日している。楽塾以上に楽しく遊ぼうと思っている。

KONTAとヤヌーのコラボが明日から始まるのか。とにかく時間がない、初日からスピード上げてやるしかない!!明日は坂手君に稽古場は任せるしかないか?ヨロシク。

あ、今日は寺山修司の命日である。そういえばこの4年間楽塾公演で、高尾霊園に行ってないな。合掌。

打ち上げのあと高田馬場まで例によって歩いて帰宅。4時就寝。

 

 

 

 

『永遠』篇  『心中天の網島』 篇  稽古場日誌 「南北オペラ篇  『夢の肉弾三勇士』篇

2005海外公演日記