2005年7、8月日記

 

8月31日(水)

今日は忙しい一日である。朝から台本の改稿。
で、用事で虎ノ門。で、6時に早稲田。『静かなうた』2日目を見る、昨日と違ってだいぶ落ち着いてきた。客は8分の入り、メインの客席は満員。サブ?の客席が寂しい。明日もこんな調子かな。まあ、お客さんには入ってほしいものである。

9時30分の「のぞみ」で名古屋、夏休み最後の日ということで超満員すしずめ。なんとか自由席座れた。
11時過ぎ伏見のコンフォートホテル着。明日から劇作家大会。朝早くから仕事らしく佃もいない。コンビ二で大量に酒を買う。寂しくCNNでハリケーン「カトリーナ」の情報の悲惨さを見ながら部屋のみ。おやすみなさい、そしてとにかく頑張れニューオリンズ、ジャズの町。まるで戦場。

8月30日(火)

 

朝早くからビデオ審査。3時からの三回目のゲネプロも見れず、5時過ぎまで4本。途中でラーメンを食って休憩を30分とったが、ほとんどノンストップ。ダメダメ2本1本マアマア。1本面白ー。で何とか終わる。今のところ去年より全体としては不作。9月5日にひょっとするとあと何本か見なくては?なんか悪口に似た愚痴ばかり書いてるみたいに見えるかもしれないが、私はこの5年間毎年夏のこの時期にたとえビデオでも「若い演劇を30本近く見る」体験には感謝している。秋から冬にかけて知らない若手の芝居を見ることによって私自身得るものが多いというのも事実。

今日は久しぶりに「歩き」じゃなくて地下鉄で早稲田6時。稽古場は掃除で大変。とにかく砂の埃で真っ白け。座布団からなにまで、開場ギリギリまで全員で劇場を綺麗にする。

7時から『静かなうた』(作・テキスト/北川徹 演出/北村真実)開演。超満員ぎっしりの客。立ち見で劇団員は見ている。

笑うところでは笑いが起こりいいカンジの客の反応で無事初日の幕があいた。まだやれるところがいっぱいある。役者も客が入り自分達で作った「物語」に手ごたえを感じている。これからだ。どんどん変わっていくことだろう。ちょっとした役者の意識で確実に変わる面白い芝居である。

それにしても今日は砂が良く飛んだ、埃はたつは・・・開演直前に新しい砂を入れたのが原因?開場前に砂を充分湿らして砂埃りをうまく止めていたのに・・。里美和彦も木暮拓矢もずいぶん良くなっている。男たちが成長している。女優達は言わずもがな・・・ですよ!

明日からは席には「充分余裕アリ」とのこと。是非多くの皆さんのご来場の程をお待ちしております。明日も私は開場時間から劇場にいます。

 

8月29日(月)

ついに明日は初日である。昨日の1回目のゲネプロは面白かった。なんとかつながった。が、役者達はやっぱり、セリフがない事を究極まで突き詰めてない!身体全部でしゃべる、指先もいや爪の先、髪の毛1本までの神経を総動員して!それをとにかく、追求しようぜ。この実験的な試みは早稲田でしか出来ない実に贅沢な試みなんだから。北村真実さんには熱く感謝。

朝早く残りのビデオ9本が演出者協会から届く私のノルマは一応これで終わり。朝からラーメン啜り、審査開始。何とか夕方まで4本、ノンストップでみる、目がくちゃくちゃ。ダメ2本。面白いの1が本あった。で1本がまあまあ。それでも去年の「東京ミルクホール」や「ひょっとこ乱舞」みたいな若い馬鹿がたまにいると元気になるってモノだ。明日朝から3本。

7時からの2回目のゲネプロを見る。昨日よりダントツにイイ。こんなカンジで明日のプレビュー開幕!いいんじゃない。客席も10人以上の関係者。

初の試み。あとはお客さんの入り・・・・だが?今年すでに、8本目の公演。異常な公演数でまあ、お客さんも息切れぎみ。30・31日以外の前売はまるで出てないとのこと。でも、本当に面白いですよ。一度ふらりと覗いてみてください。多分いつでも入れます。でも、定員60〜70席の小劇場ですのでなるべくお早めの予約をお薦めいたします。

私は明日と明後日の2日間劇場にいます。31日の夜には劇作家大会長久手大会参加のため最終の新幹線に乗って9月4日まで「名古屋」です。帰ってくるのは9月4日夜遅くです。

一緒に飲みたい人は明日早稲田で会いましょう、待ってます。あ、作家の北川は5日に来るとのこと。

深夜12時から1本約2時間ビデオ、ほとんどゴーモンみたいな作品。頭にきて終わってウオッカ三杯引っ掛けて寝る。あと4本。

 

8月28日(日)

今日はお休み。

8月27日(土)

 

結局昨日は4時半まで「朝生」見てしまってなんだかんだで6時ころに寝た。11時過ぎ起床。

お昼から楽塾。台本本読み、最終稿のつもりだったがやっぱり読むとどんどん変えてしまう。まあ、そんなもんだ台本なんて。明日はとりあえずのキャスティング日。いやー困った、何回も読んだが誰がやっても・・・ウーン。

5時で稽古終え、事務所で『静かなうた』の当日パンフの原稿書き。なんとか1時間で書き上げる。急いで地下鉄に乗って森下まで。tptの『道成寺』を見るため。

三島由紀夫の近代能楽集tpt『道成寺』作/三島由紀夫トーマス・オリバー・ニーハウス演出。ドイツ人らしく実に自由奔放なそれでいてスタイリッシュなミシマ。コロスたちが創り上げる道成寺ね?中島朋子はロンドンのテロリスト?ブルジョアジーたち?!がもっとグロテスクでもっとヘンタイならいい、つまりエロティックね。塩野谷正幸は身内だからじゃなく実にいい、まるでドイツ映画に出てくるいい役者、ブルーノ・ガンツって感じ?千葉はもっと遊んでイイ。2人が出ているとどうしても『ハイ・ライフ』の現場を思い出してしまう。池下重大はいつかウチに必ず出てもらおう。イイ、「薔薇刑のミシマ」には笑っちゃったぜ!是非皆さん観てください。かなり笑えるミシマであることは請合います。ピット・インで飲む、久しぶりの瀬戸さん、門井お兄ちゃんの元気な姿もちらり、美味しいつまみと焼酎ご馳走様でした。いつのまにか選挙の話になってきたので、一緒に行ったムーチョを残し早稲田に帰る。

稽古場に戻るとまだ男たちが作業中であった。

明日は11時から明りあわせ。『静かなうた』いよいよ秒読み開始。明日は1回目のゲネプロ。

 

8月26日(金)

 

お昼から残りのビデオ2本、4時間。これでやっと全てのビデオを観終わった。あと10本。でも、とりあえずこれで引きこもり終わりだ。ああ、しんどかった。夕方から稽古場へ行く。明りも吊りこみ明日から明りあわせ?3日ぶりの早稲田である。

事務所によってから稽古場、本当に稽古場が真っ白になっている。こりゃ、あと2週間で・・・・・。7時から通し。3日前に比べてもの凄く判りやすくなっている。1時間ぴったり。面白い、あと少しだ。照明の斉藤茂男さんも見ている。明日から明りあわせが始まる。斉藤さんは早稲田は初めてだし、きっと、これまでにないあっという驚く照明になるだろう。

あと3日でもっと変わってゆく!9人の役者達の力が問われる。セリフがないからこそ役者には「身体の言葉」「脳の言葉」が圧倒的に必要となる。初めての白井圭太、麻衣もなかなかいい、頑張れよ。

そして「tatsuya」の顔合わせ本読みも今日から始まった。早稲田でしか出来ない2作品が夏・秋と続く。

とりわけ『静かなうた』は今までにないものに成長している。ホーム・ページに掲載されている北川徹台本をテキストにして、1ヶ月かけて、役者と演出家とスタッフ達はあのテキストから「物語」を紡ぐべく大いなる実験をしているのである。

何処にもない初めての試み、これは演劇というより表現の純化である。とにかくこの私たちの実験を多くの人たちに見て欲しい。それも是非2回見て欲しい。2面の客席、まったく違って見えます。30・31日のプレビューは2000円です。お早めにご予約の程を。まだ席は充分あります。

実験といっても大衆的な作品に出来上がってます。是非お楽しみ下さい。なんか当日パンフみたいなこと書き出したから辞めます。おやすみなさい。ああ、「朝まで生テレビ」見てるとホント馬鹿な政治家ばっかりでホント頭にくるな!!

 

8月25日(木)

 

朝から夜まで『楽塾版★十二夜』第一稿最終校正。12時近くに終えて、杉山さんにメール。やっと終わった。台風11号が関東直撃。近くの神田川は凄い流れ。雨の音、風も出てきた・・・・・。それでは、ビデオ審査再開、あと4本。台風の中、朝まで!!ガンバリます。

4時まで2本、なんだろうね、ほとんどの作品が「愛し方」がわからない、幸せは身近にあるんだッてカンジのコントとちょっとエッチぽいやつ。

人を愛するのが下手で、自分勝手に本当に言いたい事なのか何か良くわからないが、とにかくべらべら良くしゃべる。多分パソコンで台本書いてるせい、でとにかく長い。これは自戒を込めて書いてるのだが、芝居のホンは手書きでやっぱり書くべきだ。そのほうが、セリフに身体性がある。20代だったら、もちょっとむちゃくちゃな事しろよ!といいたくなる。

おまけにそのセリフほとんどが「他人」にしゃべってない。また、社会的なテーマの作品がほんとにない。これはヤバイ。友達感覚で、同世代に、身内にしか通じないところで自閉している。

いやはや?!相互批評のない劇現場、これじゃ、まるで小さなカルトだ。

 

8月24日(水)

 

お昼から久しぶりに若手演出家コンクールのビデオ審査再開。いやはや辛い闘い、2時間半もみても唯の苦痛でしかないモノにぶつかるとふざけんじゃないと怒鳴りたくなるってもんだ。それでも2本かたずける。

2本見て沖田乱の来年の在外研修の推薦文にとりかかる、なんとか書き上げる。

で、7時から下北沢「劇」小劇場で三田村組の『分署物語W かしらなか』(古屋治男作・演出)をみる。消防士の日常を描いたコメディー。このシリーズは三本見ている。とりわけ、パートUは傑作で私のお気に入りでもある。期待して今日も見に行った。それに、稲増文がレギュラーで出ている。係長の役で稲にぴったりの役どころ、今回もイイカンジで頑張っている、が、私には今回はまったく面白くなかった。事件が起こらないとか善人しか出てこないとかじゃなくここには「他者」が存在しないのだ。「他者」がいれば当然「事件」が起き、空間が変容するのに・・・・・すべてご都合主義。テレビのドラマじゃないんだから・・・・・何故「生」=ライブでやるのかという根源を、集団で問う!それが演劇という集団作業の原点じゃないか?違うか?でも、ここにはソレが希薄なのだ。そりゃ、確かに今日みたビデオの作品よりダントツにイイ。でも、何とかしろよ!これじゃなんのフォローにもなってないか・・・・。三田村さんは一生懸命徒手空拳で頑張っている、多分大赤字だろう。その演劇に対する姿勢、志には圧倒的に敬意を表する。とにかく古屋には、もっとアナーキーに男たちのドラマをムチャクチャに書いてもらいたいのだ。どうでもいい大衆演劇ばかりやっている訳知りの大人にになんかならなくてもイイ。・・・・「他愛のない」時間なんてなくていいんだよ。ひょっとして俺、古屋を超誤解してたりして?彼は心優しき唯の大衆演劇やさん?金杉さんの弟子という事で俺が過剰に思い込んでるのかもしれない。最底辺に生きる市井の人々のアモルフ(不定形)なエナジーこそが見たいのだ。

と、要らぬお世話というか俺の趣味を長々語ってるんだな多分。

「ふるさと」から「紘子」と稲とハシゴ。来年の夏ぐらい一緒にやろうと話す。「紘子」で国井さん夫妻と根本さんと会う。いろいろはなす、面白かった。国井さんのアメリカ、イタリアでの仕事の話が興味深かった。本当に芝居が好きな先輩たちである。国井さんは下田に家を買ったとのこと、いつか遊びに行きます。久しぶりにバーボン。

タクシーに乗って深夜帰宅、ベロベロ。この日記は例によってのんだくれのたわごとです。皆さんあんまり気にしないで下さい。念のため。

 

8月23日(火)

 

朝、久しぶりに普通に9時起き、11時西新宿芸能花伝舎で日本演出者協会理事会。第1回目の新理事会。12人、今日は羊屋白玉、鈴木裕美さんそして堀江ひろゆきさん、篠崎光正さん(この人なぜか「ノートパソコン持参」、昔の坂手洋二みたいな篠崎メソッドの桐朋の教授)といった新顔が顔をそろえる。各自の担当部署を決める。私は広報、事業、国際、地域交流の4部。が、広報がメイン。部長の森井さん、裕美さんととりあえず演出者協会のホーム・ページのリニューアルから始める事を決めるため終わってから打ち合わせ1時間。大西君と近くの蕎麦やで昼飯。

歩いて20分、3時から新宿の「らんざん」という喫茶店でこれまた、協会が9月に出版予定の「演出家の仕事U60年代アングラ篇」の最終校正の打ち合わせ。西堂行人氏、担当の佐々木くんと。

とりあえず60年代アングラの演出家のインタビュー、演出家論、エッセイ他。唐十郎、寺山修司、蜷川幸雄、大田省吾、鈴木忠志、佐藤信、竹内敏晴、瓜生良介、といったアニキ達の熱い60年代後半アングラ創成期の動きを追ったもの。私も35枚、先述日記でも書いている「アングラ4天王」のエッセイを上梓している。9月下旬までには刊行したいと思っている。書店にもちゃんと発売されるからヨロシク!編集の佐々木君は来年の在研でフランス留学が希望とのこと。西堂氏が推薦者。協会では来年「演出家の仕事V 戦後新劇」2007年「演出家の仕事W 70年代アングラ=小劇場篇」と連続出版する予定。

5時に打ち合わせを終え、自宅で2時間、25年200回以上連載している新松戸のタウン誌の原稿5枚なんとか書き上げメール。いつも締め切りギリギリ、編集の大脇さん、いつもスミマセン。

8時から『静かなうた』の通し、1時間5分。面白い。稽古場に敷き詰められた砂に驚かされるが、実に良く出来た「セリフのない芝居」に出来上がっている。が、まだドラマ性が希薄、で、なんかべらべら演出家の北村真実先生に私の妄想を喋り捲る。ま、あと1週間役者が自分の役と他人との関係をきちんと作れば今までにないモノが出来上がる言葉以上に身体があるか?という試み。

それにしても凄い砂煙!客は大変である!!でも、面白い体験ですよ、きっと。

深夜テレビで「赤い背中」というナガサキの被爆者「少年」の60年の記録をみる。いまだに背中の凄まじい裂けるような痛苦さ!!が終わらない「核の悲惨さ」を語り継ぐ被爆「少年」の生き様。瞬きもせずみる。3時就寝。

 

8月22日(月)

 

今、気が付いたら朝からノン・ストップで15時間余り夜1時近くまでパソコンに向かい『十二夜』の台本作りをやっていた。外見たら夜だぜ。勝手に1人で乗りまくってシェイクスピアと遊んでいるよ。『流山児ハムレット』以来だ。なるべく分りやすく、楽塾でしか出来ない事、みんなでやれる謳って踊って恋をする楽しい喜劇を書くしかない。

なんとか、取り合えず、ラスト五幕まで改稿した。明日読み直そう、もう腰がヘロヘロである。おかげで、今日の『静かなうた』の通しが見れなかった。早稲田に白い砂が入ったらしい・・・・・。役者は大変だ。

今日の日記もこれまで。もう字を書くアタマも体力も残ってない。ほとんど腑抜け状態。

結局今日は1食しかメシ食わなかったな、タバコは三箱!!アイス・コーヒーのペットボトルは1本空いたけど。おまけにテレビもラジオも聴かずだ、ふーん。こんな日もあるんだ。そういえばアマノと沖田乱と1人芝居をやっているという山根さんから是非見てくれとい電話があったっけ?

さて、今日は。ビールでも飲んで寝るとするか。

 

8月21日(日)

 

今日もお昼から楽塾。台本何とか2幕まで改訂。本読み2回。本読みしながら全員で、アアデモナイ、こうでもないと、ええカゲン?な意見続出で2幕までを再び改稿、こんなカンジで今回はやろう。5時まですこしずつ変えながら読み。

事務所のパソコンに向かい改稿作業。いつもの呑み助どもから電話「つぼ八」で飲んでるとのこと、一時中断、1時間だけ呑み会に付き合う。3〜4年前までは必ず夏に「発表会」をやっていたのでその話になる。そういえばひと夏中、高野や伊藤、桐原たちはトイレット・ペーパーと格闘してたし、川本やマリたちは入団早々ベンチと格闘してたっけ・・・・。必ず何か「モノ」と格闘する「夏」ていいじゃん。

そうかあの、夏の発表会は楽塾研究生公演としてこれからも新人を中心にやるべきかな・・・なんて考えがよぎる。楽塾も総勢15人9年目の夏である。

キッチリ1時間だけ付き合い。7時から改稿再開12時半までなんとか3幕。目がキツイ、近頃めっきり老眼が進んだのはこのパソコンのせいだろう。明日は4幕の予定。ビデオ審査も残っているし・・・ああ、忙しい。

歩いて馬場までそれにしても残暑厳しき折・・・・である。

久々に河上徹太郎の「日本のアウトサイダー」を読み返す。大杉栄の項。シュタイナー「唯一者とその所有」。・・・16歳修学旅行で「男色」(ホモ)発覚、17歳キリスト教入信洗礼、日露開戦時キリスト教からはなれアナーキストの道へドモリで性解放論者で実践家「4角関係」で神近市子に咽喉を刺され危うく命を落としそうになる。大正12年関東大震災の時、甘粕憲兵大尉に殺害される。・・・ファーブル「昆虫記」ダーウィン「種の起源」の翻訳?と昔から不思議に思ったものである。享年38歳どこか坂本龍馬に似たロマンティストさんである。好きだな。

なんか、ダサい空手の世界大会を深夜のテレビでチラッと見る何故か出ているのがガキばかりロシア人強し。3時就寝。

 

8月20日(土)

お昼から楽塾。『静かなうた』で早稲田が使えないから今日と明日は近くの榎町区民会館の地下の練習場。取り合えず直した『十二夜』の台本本読み。1時間20分。読んでみて話し合い。やっぱり、舞台を日本に変えようということになる。ニナガワさんの歌舞伎版とも違う、かなりエエカゲンさを持った時代劇に変えることにしようという話でまとまる。5時で稽古を取り、早稲田の事務所パソコンに向かい台本直し、気が付いたら12時近くまで「ノン・ストップ」でやっていた。

オリヴィア姫を織姫、ヴァイオラ姫を雪姫とか名前を考えるだけでも一苦労。でも直しているうちにだんだん楽しくなって止らなくなった。何とか今夜徹夜しても2幕まで直したい。明日、この本で読んでみよう。来週の土・日までにはキャスティングまで行くと宣言したからな!!少し去年より速いスピードで行く予定。そうじゃないと、いつも1ヶ月前になるとバタバタになる。

それにしても最近はマメに台本を直しているな?・・・そろそろ20年ぶりに劇作家に戻ろうかな?

今日から、ベニサン・ピットで塩野谷正幸出演の『道成寺』が幕をあけた。念願の役だから塩野谷頑張ってるんだろうな。来週行く予定。『時間ト部屋』の演出家だから期待しているんだけど・・・・・・。劇団員の何人かが今日の初日、明日と行ってる。

『tatsuya』のチラシのレイアウトが上がってきたすっきりとした風景写真、いいんじゃない。『静かなうた』初日には間に合いそうである。

『静かなうた』はいま、セット作り小道具作りと平行して稽古だから大変。劇団員も少数だからスタッフ・ワーク制作作業とハード。ま、両方やってナンボの世界である。頑張ろうぜ。稽古場がだんだん騒然としてくる、これが実にいい雰囲気である。早稲田はいいな。

 

8月19日(金)

 

昨夜原稿何とか書き上げ編集の西堂氏にメール。

朝までに,その後「空港にて」(村上龍)読了。面白いのは最後の短編のみ。「倫理21」(柄谷行人)も一気に読了。「他者を手段としてのみならず、同時に目的として扱え」というカントの道徳法則を軸とした戦争責任論。「自由であれ」という命令は他者をも「自由な」主体として扱えということか。この先に国家の戦争、あるいは国家そのものを揚棄せよ!なんだが。兎に角、柄谷のホンはお勉強て、カンジだが、私の90年代の代表作『流山児マクベス』は柄谷の「意味という病」から発想した作品である。

他者への応答response=責任responsibility。今読み出した3冊目の高橋哲哉の「戦後責任論」も応答可能性(レスポンシビリティ)としての戦後責任論を展開している。これもお勉強てカンジでなんか、とっつきにくいな、で高橋は「ハムレット」ときている。

演出者協会から若手演出家コンクールの審査ビデオ第2弾10本が届く。さあ、がんばってやりますか。少し眠る。1日2本!マチネ、ソワレだと思えばイイ。最低4時間近くの苦痛となるか?そこそこか?楽か?で、お昼から結局「3本」6時間近く見る。楽1本、そこそこ1本、苦痛1本。あと7本か・・・・・。

 6時45分浜松町劇団四季「秋」劇場、昭和の歴史3部作のうち『李香蘭』を見る2時間半。

10時から稽古場でベラルーシから来ていた古澤君のお別れ会、『静かなうた』の呑み会とごっちゃ、ピープル・シアターの人、沖田乱といったメンバーで賑やか。酒と肴は私のポケット・マネー。ホントーに、古澤君、お疲れ様でした。これからも、ベラルーシの演劇人との交流のため是非ご協力の程を。気をつけて!!で、深夜2時近くまで飲む。

沖田乱は再来年文化庁の在外研修でカナダ留学の準備中。推薦文を書かねばならない。考えます。去年推薦した木村健三は9月にカナダから帰ってくる。これでカナダ人脈はずいぶん増えるな・・・ま、いいことである。英米よりカナダの方が演劇の多様性がある。多民族国家のなかの演劇活動・・・。

『SMOKE』にはベラルーシ、インドネシアの役者にも出てもらおうと画策中である!いや、本当。多民族劇団乞う、御期待!

 

 

8月18日(木)

一日中原稿書き。で、今日はお休みです。

 

8月17日(水)

 

朝から原稿書きパソコンに向かう。日本演出者協会でこの秋出版する「演出家の仕事2 アングラ篇」40枚の原稿。アングラ4天王との出会いをエッセイ風につづったものの最終校正、これで3稿目。なんとか明日までには・・・・。書けたらホームページにアップします。

夜、久しぶりに稽古場を覗く。順調に進んでいる、演技エリアもきまる。客席は2方向くの字型70席は入る。台本というかテキストが掲載されているので是非読んでください。このテキストを元に「物語」を作っていくのは並大抵な事ではない。つまりテキスト元にもう一つの「テキスト」=物語を役者の身体で作るという試み。効果音や状況設定は?まだまだ・・・・・。乞う、御期待。観ていて、俺だったら、ここはギャグだななんて。妄想。森進一の歌謡曲が舞う♪私は北へ帰ります 北行く船で帰ります、、、。

書店で文庫本7冊、ほとんど衝動買い何の脈絡もない。「戦後責任論」(高橋哲哉)「憲法力」(大塚英志)「マルクス入門」(今村仁司)「空港にて」(村上龍)「倫理21」(柄谷行人)「ペルソナ」(猪瀬直樹)「泳ぐのに、安全でも、適切でもありません」(江国香織」 でも、いつ読む時間あるかな・・・・そうだ劇作家大会の時、長久手で、と決めるが、きっと毎日飲んでるんだろうな?

今夜のビデオ『IZO』(三池崇史監督作品)。いつも思うんだが、ああ、観なきゃ良かった三池!である。例によって糞みたいな映画、糞血飛沫き映画。テロというのなんていうの斬って斬ってキリマクル、ホンがひどすぎる。役者は1シーンのみだから大スター続出の糞映画。んでもって、DNAの螺旋を切れないつーの。最後の桃井かおりの出産シーンで落ちをつけたつもりかよ。観るべきものは途中挿入される「戦時中の記録映画の映像」(が、アマノのほうがテンポもセンス断然いい)のみ。友川かずきの歌はいい!!それにしてもむかつくな。きっとこの男才能はあるのにきちんと使ってないと思う『妖怪大戦争』観るの辞めるかな。

 

 

8月16日(火)

遅い朝飯というか昼飯を食ってたらグラグラ、又来た地震!と思いきや宮城沖地震震度6。東京は震度4。とにかく、しょっちゅうこの国は今、全てにおいて揺れてるのである。

3時から早稲田大学演劇博物館で約半年間展示していたモノを劇団員総出で撤去したとの事、お疲れ様。本当に多くの皆様のご来場ありがとうございました。

7時から本多劇場。ナイロン100℃でなく、「復活」劇団健康の『トーキョーあたり・・・』(ケラリーノ・サンドロヴィッチ作・音楽・演出)を見る。ナンセンスの極地、遊びに遊ぶ2時間20分。あっという間である、役者は、手塚、みのすけ、三宅みんないい、いい年こいて馬鹿なことやってやがる,あと20年やれリャ本物。笑わせたい病にトリツカレテイル劇団それが健康!というのはいいぜ。それにしても、ケラは凄いスピードで新作かけるものだと感心。が、観ているとコリャ台本相当遅れて出来たんだろうなと想像される。うちの芝居は9月中には絶対書かせねば!!それが俺の仕事だな・・・。

楽屋でケラと立ち話。11月スズナリ公演のチラシ作りはケラさんに頼む?が、予算の話もあるし?である。ま、9月『静かなうた』10月の「tatsuya」の連続公演もあるが、劇団の総力を挙げて今年の冬、ケラVSアマノと組んでの「新作 SMOKE」が今年のメインエベントになるであろう。想像するだに、面白くてスリリングなそしてスペクタクルな熱い現場になる。天才と奇才の激突!!こうなリャおれも、「役者」で出るしかないってもんだぜ。

それにしても、政治の世界はどんどんグロテスクな漫画の世界に突入。ホリエモン、やっぱり予想どうり?で「女刺客」が続々。辻元氏も断末魔の社民党から・・・・。まさに「人間の暗部」であるな?

今夜のビデオは『アレクセイの泉』。ベラルーシのチェルノブイリを扱った記録映画。イイ。

 

 

8月15日(月)

60年目の終戦記念日。今日の戦没者追悼式典には、「戦没者の親」は一人もいなかったという。戦没者の家族がついにいなくなるという事実。戦争は確実に風化していくというのか。

「戦争」をキッチリ考える日本はとっくの昔に「死んだ」のかも知れない、そんな風に思える60年目の終戦記念日。これからの「アジアの中のニッポン」を考えれば考えるほど暗くなる・・・・・・・♪どうすりゃイイの 思案橋である。

 朝から来年の若手演出家コンクールのビデオを4本、夕方まで。今年は今のところ、本当に面白くない「不作」の年。ドイツもコイツも劇に対する心意気も志も何もない、小ざかしくテメエの「小さい物語」をへらへら語りやがる。86本のビデオによる1次参加、最低審査員は30本見なくてはならない、いやはや、来年こそは本当に「地区ブロック」での予選大会を考えなければ今の審査方法ではどだい無理である。そういってもまあ、やれる事はやるしかない。

ほとんどが劇団ではなくプロデュース・ユニットである。「愛している」って言えなかったとか、「愛」を実感できないとか・・・・・・・おいおい、イイカゲンにしろといいたくなる。「世界」なんか何処にもない、「戦争」も「政治」も「社会」も「悪意」も何処にもありゃしない。演劇という「集団」でしか出来ない事へのこだわりが余りにも希薄。ああ、もういいや、と状況嘆き節になる・・・・・。すべてが、ギャグになってペラペラしてやがる。[愛」やら「幸福」といったポジティブな言語の意味が本当に薄っぺらで、イジメや憎しみや差別感覚だけが奇妙なほど「リアル」な演劇が横行する気持ち悪さ。

 

演劇だけでない、何もかもがたがを失って壊れてゆく。まるで「ハムレット」だ。間接がはずれ、国家も壊れてゆく。このプロセスは大いなる喜劇。それでも、白痴のポピュリズム国家になっても、どいつもコイツも「ブログ」して「ハムレット・マシーン」してやがる。

夜になると今夜もスゴーイ、雷さまである!!まるで、この何日か熱帯のスコールのような東京。そして、「ニッポン、クオ・ヴァデス2005?」である。

NHKの「終戦日特集」と報道・ステーションを見た後、現代思想「靖国問題」と「世界」9月号をペラペラ斜め読み。そういえば、子供の頃から8・15だけは「黙祷」をささげ一日「戦争」について考える日だったけ・・・・。

今夜のビデオは遅ればせながら『グッバイ・レーニン』恐るべしドイツ映画。昨日の『Uボート』より凄い。参りました。映画の全てを詰め込み、革命と人間を描く娯楽映画の傑作。ベルリンの壁の崩壊、空飛ぶレーニン像、映像が「人間の理想の夢」を語る・・・・・。今日観てよかった。

 

 

8月14日(日)

朝から例によって原稿書き。夕方まで2本。何とか書き上げメール。暑い、汗だらだら、それでもやることはやらねばである。

夕方、6時から早稲田松竹で『U・ボート』ウォルフガング・ペーターゼン監督作品のディレクターズ・カット版3時間29分を見る。ドイツの戦争の真実を描く力作、極限状態の潜水艦の中のドラマ。『亡国のイージス』の阪本監督もこれを見て撮ればよかったのに・・・。

3時間を超える大作なのに飽きない、プロローグから面白い、海兵たちが小便のシャワーを上官たちの車に浴びせ、もうメチャクチャのキャバレーシーンですでに厭戦気分が判る。何が、戦争だ、何が愛国だ!兎に角生きよ!である。そして最後の悲劇的な重爆シーンまで一気に見れた。平均年齢19歳のドイツの鉤十字十字軍の悲劇。戦争の悲劇を知らない、若者達を描く反戦映画。『トロイ』より全然イイ。

で、帰って10時からNHK教育テレビで平田オリザ・キム・ミョンファ作新国立劇場『その河をこえて、五月』を観る。面白い、がこれって何?て感じが否めない。ソウルの河原で花見で集う日本人と韓国人が言葉や文化の壁を超えてどこかで出会えるかもしれないというヤツ。これがコラボレーション?!なんだ。「自分が誰だかわからなくなっちゃたんだ。」「ケンチャナヨ!」である。黄砂が飛んで来てチョン!でも、2時間30分テレビで最後まで見れたの久しぶり。それにしても、韓国の役者はみんな上手いなあ。

明日は終戦記念日。「戦争」の事を考えているこの1ヶ月。明日はコンクール審査残り3本。やります。それにしても今年は不作である。これでも、客が「笑う」のは何で?『その河・・』見ていても思うのだが、何で笑えるの、何処が面白いの?俺って、確実に時代からずれているのかな・・・・。まあ、いいやそれでも。

 

 

8月13日(土)

久しぶりにゆっくり起きる。昨日は遅くまで演出家コンクールのビデオ。

お昼から例によって、原稿書き、パソコンに向かって3時まで。ところが、何故か、全部飛んでしまう。ナンテコッタ、ガッデム。で、地下鉄に乗って西船橋経由で東松戸まで。今日はお盆の入り。で、墓参り。4時、息子の龍馬と待ち合わせ。BMWの真っ白い新車で颯爽と現れた、600万!!5年ローンだと!!俺の年収の4倍!!ほんとに学習しない馬鹿息子である、4年前もキャデラック?!買って、おまけにボコボコにぶっ壊したというヤツだから・・・。ま、テメエの金だから?てか。コイツ本当に俺の血引いてるのか?俺は車の免許ももってないし、6畳1間のボロアパート住まいだし・・・・・・俺の方が異常てか。

1年半前に死んだ母と父の眠る霊園へ。多分千葉の従姉妹が今日お参りしたのだろう花が墓前に供えてある。一緒に入れる、賑やかでいいなと笑う。線香をあげ、しばし墓の掃除。近くの墓の墓碑銘を見る、昭和20年6月5歳で死去とある、多分戦時中何かの原因で死んだのだろう?そんな話を龍馬と・・・。

駅前のレストランで食事。今年独立して、軽鉄屋の会社を立ち上げ、大変みたいだが何とかやっている。朝5時から夜遅くまで仲間たちと死ぬほど働いて頑張っている。ちゃんと仲間の給料だけは払って、テメエの金は全然ねえとの事。やれるだけやるしかないな。でも、そのうち「世界を駆け回る実業家になる」とのこと、お前はホリエモンか?でも23歳にしては実に頼もしい馬鹿息子である、と親馬鹿。ま、あるイミ俺そっくりか?34年前、23歳の時私たちは「演劇団」というアングラ劇団の旗を高く揚げ日本国中を超ビンボー旅して回っていたっけ・・・・。

父は1970年9月30日57歳で死んだ、俺も今年の10月まで生きていれば父より生きる事になる、で息子に「そのうちゆっくり飲もうよ!生きてるうちに」といわれる。9月飲もうぜと約束して別れる。

カナダの吉原さんと電話で話す、2007年にカナダ公演を延期。モントリオール、トロント2都市で『人形の家』『盟三五大切』の2本立てを予定。

音響の藤田赤目から電話。名古屋は無事千秋楽との事、お疲れさん。

今夜も朝までコンクールのビデオ審査。3本は・・・?である、いや疲れるな。

 

8月12日(金)

朝10時来日中の 『イエロー・フィーバー』の作家リック・シオミから電話。お昼1時に高田馬場で会うことに、岩井さやかに電話、通訳を頼む、スマン。

駅近くの喫茶店ルノアールでミーティング。2006秋、アメリカ、カナダツアーをアメリカの金でやろうと画策していたのだが、現代演劇をアメリカツアーするのは大変なこと。リックと話しているうちにやっぱり辞めようという結論、となる。やっぱり、俺たちアメリカは似合わない、てか?!

来年の海外ツアーはカナダ、オーストラリアに変更しよう。が、これも今からゼロから始めるしかないので大変・・・?

7時半から、モンキー・ロードの『らくだ論』北村想新作書き下ろし、大西一郎演出を駒場アゴラ劇場で観る。台本は落語「らくだ」と坂口安吾の「堕落論」と日本国憲法と「現在」+αを「語る」演劇。盛りだくさんの2時間。
ちょうど朝からニヒリズムとポピュリズムについて考えていたトコロだったので笑った。

面白くは観れた。が、しかし、落語だろ?役者はどうすリやいいの?映画『らくだの馬さん』のエノケンのシュールさから始めて「死人たちのオペラ」にすりゃ面白いな!!だがしかし、台本をいかに楽しむかという根本の欲望が足りない。安吾も「らくだ」もエロスの極北にある、「堕ちよ、生きよ!」ってエロスだろ。
スイスの憲法前文を聞きながら、わが国の憲法前文も読みたくなった。

役者たちはみんな力があり、頑張っている。あと2日頑張ってください。俺は今日こそ若手演出家コンクールのビデオ審査。3本はいっとかないとな。

 

8月11日(木)

朝10時チェックアウト。眠い、睡眠時間4時間余り。なんと、「3日酔い」でアタマクラクラ。

佃典彦が11時ホテルの喫茶店にやって来る。NHKのラジオドラマの脚本を徹夜で書いていたらしく佃も完徹で眠たそう。来年7月ベニサン・ピットで上演予定の『無頼漢』の打ち合わせ。寺山修司の映画シナリオが原作。黙阿弥の歌舞伎台本。今年1月の南北オペラ『桜姫表裏大綺譚 さくらひめ おもてうら だいきたん』に続く佃と組んでの歌舞伎である。総勢30人の大チャンバラをやろうぜ!!で、9月の劇作家大会で第2次打ち合わせ。

新幹線で帰京。それにしても3日間飲みっぱなし。胃袋が悲鳴を上げてやがる。車内で新聞を広げる。小泉支持率アップだと!!この国の国民はいったいどうなってしまったんだ!!亡国どころかポピュリズムの「思考停止白痴国家」ニッポン2005夏。

小泉非情の「全反対派に対立候補」だって。「女刺客」で女性票獲得、それにしてもせこいやり方である。・・・・・共倒れで民主党てか?

「8・15」終戦60年記念日がやって来る。またぞろ中国では反日デモの呼びかけが始まった。

つげ義春「義男の青春」(新潮文庫)読了。いつのなったら撮るんだアマノ?『必殺するめ固め』

村井さんから『寿歌』ロシア大陸横断ツアーの夢の企画実現に向けて動き出したいとの電話あり。2007年、やるか!?さて、3日間だらだらしてたから、今夜は散歩でもするか?明日から若手演出家コンクールのビデオ審査開始だ。ゴメン、1週間遅れだ。

 

8月10日(水)

猛暑の中、大須から鶴舞公園まで散歩しながら行くとするか?とお昼過ぎ、歩き始めたが、ほとんど、熱中症直前で勤労会館にふらふらになりながら到着。はんぱな暑さじゃない。こんな事やってはダメだな。

7時まで場当たりを続ける、40分遅れでKUDAN PROJECTの『百人芝居 真夜中の弥次さん喜多さん』(天野天街(少年王者舘)作・演出)開演。2時間半、取り合えず初日の幕はけが人もなしで無事に開いた。途中何人かが帰ったが、大拍手。

何故か、閉館放送をプロデュサーの安住さんに頼まれ急遽やった。寺十、蒲らと近くの中華屋で飲む。アマノは横でスタッフ会議。で、大須食堂で朝3時過ぎまでアマノと「2人きり」で焼酎を飲む。兎に角頑張れよ!!これだけのひとびとにささえられて、この甘えん坊は・・・・である。ホテルでシャワー浴びながらトートツに赤塚漫画をアマノに演出させたいなと思った?・・・為末大、銅メダル。

 

8月9日(火)

名古屋入り。駅前のピカデリーで『亡国のイージス』(阪本順治監督作品)を観る。史上最低の自衛隊宣伝愛国プロパガンダ漫画映画。見ていてムカムカ。こんな映画ばかり、次は『男たちの大和』?!3時頃鶴舞公園にある勤労会館へ。『百人芝居真夜中の弥次さん喜多さん』アマノの台本が最後まで上がってきたらしい!!みんな疲れきったカンジ。でも170人以上の存在感はすごい。

8時頃まで場当たりを眺める。前半30分面白い。大須プラザに宿をとる。万博で名古屋のホテルはどこも満室状態。古本屋「猫飛横丁」を覗くと七つ寺共同スタジオの二村さんがホロ酔い顔。二人で1時ころまで日本の小劇場演劇人の国際性のなさについてグデングデンになりながら、怒りながら、嘆きながら、飲む。二村さんにはいつまでも元気でいてもらいたいものだ。

 

8月8日(月)

朝10時初台の新国立劇場見学のあと大阪入り。上本町の劇団大阪の稽古場で国際演劇交流セミナー「べラルーシ特集」。リーディングとセミナー。深津篤史演出、40分の短縮版。なぜか深津は2幕の方を選んだ?俺だったら1幕をやるけど・・・・。セミナーは東京と違った、ソ連時代の話など含めて興味深いベラルーシの現代演劇史。交流会で岩崎としゃべる。ついつい2時まで、ルツェンコさんとは大阪でお別れ、お疲れ様でした。

参議院で郵政法案大差で否決。衆議院解散。9・11選挙決まる。小泉ヒトラー狂乱の始まり。今日はナガサキ被爆の日。

 

8月7日(日)

昨日『アドルフの画集』というビデオを遅くまで観る。ヒトラーがもしも絵描きになっていたらというやつ、マックス・エルンストとの比較。B級映画だが面白かった。朝、ピン・ポーン。ドア・チャイムの音。演出者協会から宅急便、今年の若手演出家コンクールへの応募ビデオ取り合えずの10本あまりが送られてきた。毎年の夏の恒例行事がついに始まった。今年は90本を越える最高の応募者数とのこと。すごい数!去年の60何人にも驚いたが、若手演出家コンクールも6年目、完全に定着したようだ。1次審査のこのビデオ審査が一番しんどい作業である。最低30本以上見なければいけない?!2次審査は約15人に絞り込む予定。つまり6分の1か今年は激戦だな。

猛暑の中、新宿から歩いて15分、芸能花伝舎まで。3時、ルツェンコさんのワークショップ最終日。参加者は少なかったが、面白かった。うちの啓太と木暮も参加。最後の通しは15分余り。チェルノブイリの原発の破壊現場から「三人姉妹」のシーンに入るシーン・・・・・。イロイロあるが、うーん。

5時から3日間続いた国際演劇交流セミナー「ベラルーシ特集」の打ち上げ、国際部の皆さん本当にお疲れ様でした。明日の夜、大阪もあるがとにかく、様々な人にベラルーシ演劇の面白さが伝わったらやった意味があるってもんだ。9時前にスペース早稲田へ、『静かなうた』の稽古場。

稽古は順調に進んでいる。葬列の群れ、泣く女、ハンケチを渡す男、それを見ている男、そして・・・・?発する言葉はないが「物語」は確実にあり、それでいて・・・・。実にスリリングな現場。これからが楽しみである。ルツェンコ氏は稽古場の余りの狭さに驚き、「流山児、ミンスクに来い、劇場1つぐらいなんとでもなるから」といってくれる。ありがとう、でもこの小空間が何よりも俺は好きなんだ、と答える。

明日は朝10時過ぎ、栗山氏の好意で新国立劇場訪問。12時過ぎに大阪へ。7時から大阪でレクチャーとリーディング。久しぶりに深津らに会うのも楽しみ。で、9〜10日は名古屋『百人芝居 真夜中の弥次さん喜多さん』の予定。

 

8月6日(土)

朝から「萩原朔太郎全集」「現代思想地図」をぺらぺらめくり、ないアタマで哲学して、で、シャワーを浴びているとお昼前にイワヲが事務所の米山がいないのでパソコンを使わせてくれと電話、、自宅へ。西荻のなにやらいう劇場の平面図やらなにやら・・・・。

3時に炎天下の中歩いて、西新宿の芸能花伝舎へ、ルツェンコさんのワークショップ。「チェルノブイリの三人姉妹」というテキストに十五人余りの役者、といってもほとんど素人を使って、それでも実にエネルギッシュにやっている、頭が下がる。うちの研究生の啓太も参加している、がんばれよ。4時まで。今日はヒロシマ被爆の日。

4時半からドラマ・リーディング『結婚したい女流詩人』。ほとんど超満員状態の40人を超す入り。『結婚したい女流詩人』1時間20分余り。場内爆笑の不条理コメディー。実に面白い。来年やりたいと思った。弘子は多分史上最大のセリフ量。声をからしてやがる、なんてこった。でも、たった5日間の稽古でで良くやったと思われるリーディングだった。七緒お疲れ様!!必ずこの芝居上演しような。

で、急いで、タクシーに乗り下北沢へ。7時から下北沢ザ・スズナリで上演されている高見亮子作・演出『ロシアと20人の女たち』を見るため。かもねぎショットの公演。面白い、実に良く出来た女の視点で書き上げたロシアをライトに批評するウエルメイド・コメディ。ダンスと芝居のバランスが良く取れている。ロシアで遭難した女達が夢想するありったけのロシア演劇のイメージのイメージ。でもフツーの人々がこんなにもロシアを・・・・・?!でも、萌子も安奈さんもイイ。それにしてもこのロシアのドラマ、ルツェンコさんにはどう映ったんだろうか?随分面白かったらしい。偶然、新国立劇場芸術監督の栗山さんに会う。スズナリで終演後立ち話。明後日、大阪へ行く前、午前10時半、新国立劇場訪問ということに相成る。

久しぶりに「ふるさと」で飲む。川崎のあずみのに住んでいるという家族の人々に何故か、四季の浅利さんの事について話す・・・・・・・なんで?

タクシーで新宿Pホテルまでお二人を送り、馬場まで。あと、1日でワークショップ終わり。明日の夜は早稲田の稽古場だ。連日忙しいスケジュール。明日は少し休みましょう。

 

8月5日(金)

今日はハード・デイ。11時代々木駅でルツェンコさんらと待ち合わせ。浅草へ向かう。総武線で浅草橋まで。タクシーで雷門まで。仲見世にルツェンコ7さんコーフン。浅草寺におまいり、何故かロシア正教風のお祈り。おみくじ。

五重の塔通りに入り、浅草木馬館で大衆演劇。今月は「小泉たつみ劇団」ほとんど満員。平日の昼だというのに・・・おばちゃんたちで凄い熱気。大阪の劇団らしく実にコメディセンスがいい。「スタニスラフスキー的演技がすばらしい」とのご批評に笑いながらも妙に納得。、いい芝居?というかいい関係を見せられる親子(!?)の役者がいて、まるで漫才を見ているようで楽しかった。歌謡ショーも含めて1時間余りしか見られず実に惜しかった。これで1500円は安い!!下の木馬亭の根岸さんにも挨拶。チラッと浪曲も見せてもらう。ルツェンコ氏はこちらのほうが気に入ったらしい。このモノドラマはすばらしい、と絶賛。30年前、この劇場で芝居ヤッテタンダというと驚いていた。当たり前か?時間が無い、帰り支度。地下鉄の駅の地下街にマッサージがある。やってみたいとのことで10分間ルツェンコ・マッサージ。

で、早稲田へ。演博最終日。約30分、全館を見る。能、狂言、舞楽、シェイクスピアそんでもって流山児★事務所とてんこ盛り、である。俺のヌードには驚きの声。いや、最終日らしく混雑している。トトの息子やら楽塾のメンバーやらいろんな人に出会う。おまけに日刊現代の山田さんも閉館時間にやって来たが果たして・・・?!

今日のレクチャーに使う映像器材も運ぶのでタクシーに乗って新宿まで。7時からレクチャー。35人の参加者。少し淋しい参加者だが、この異常な暑さの中集まってくれた事に感謝。ベラルーシの大まかな演劇状況には大体触れられたと思う。ベラルーシではベラルーシ語とロシア語が公用語だが、ほとんどがロシア語を使うという現実。アイデンティティ、ナショナリズムを持つことを必要としない奇妙な国ベラルーシ。

古澤さんが持ってきたベラルーシ独自の貴重な映像に感謝。パフォーマンスというか動きだけで見せる『桜の園』は面白い。明日は1時〜4時まで『チェルノブイリの三人姉妹』のワークショップ。4時半から6時までベラルーシ戯曲のドラマ・リーディング。是非おいで下さい。面白いですよ!!

 

8月4日(木)

遠い国、不思議の国、揺れる国!?ベラルーシからルツェンコさんと古澤さんがフランクフルト経由でやって来た。7時45分成田着。成田エキスプレスで新宿。演出者協会国際部の森井さんが出迎えてくれた。ありがとうございます。事務局長の和田さんはオーストラリアだって?それって何。

ま、この1週間私が責任もってお付き合いするしかない。ミンスクでの「一宿一飯」の恩義だぜ!!

で、12時新宿Pホテルのロビーで7ヶ月ぶりの再会。初めて日本に来たルツェンコさんは時差ぼけのカラダにもかかわらず元気そう。それにしても、暑い!!昼飯を食べながらの打ち合わせ。てんぷらを食べようということになり「新宿つな八」へ行って「てんぷら定食」実に美味しそう。2時ホテルチェック・イン。少し仮眠を取ってもらって、なぜか夜は7時から新宿スペース・ゼロで上演中の演劇実験室◎万有引力の『アヴェロンの野生児』(JA・シーザー作演出)を見ることに・・・J・Aシーザーの芝居が果たしてベラルーシの演劇人にどう映るか楽しみ。

サザンロードを抜けてスペース・ゼロまで、久しぶりの万有引力、みたら全員若い、井内、圭太がトップだこれじゃまるで、新人公演だ。久しぶりに亜湖さんをみる。シーザーの新作。いかんせん、役者が若すぎる。マッチ擦るのはたしかに伝統芸能で凄いが、動きが全く合わない。大変だが、俺たちの自戒をふくめて「日常の身体の訓練」である。でも、いつものシーザーの妙に「引用だらjけの演劇論」には久しぶりに笑った。だったら、『マクベス』だけやれよと言いたくなった。それでも寺山修司作品とちがったある意味シーザーの演劇的趣味を知り、それなりにわたしには楽しかった。ルツエンコさんは何故かお気に入りの様子。シーザーに「ハラショー、スパシーバ!」本当に良かった。日本で始めてみた芝居が万有というのはほんとに貴重な体験?

明日11時ホテル。浅草行き。浅草見物のあと、「大衆演劇」を見て早稲田の演博「流山児祥35年展」最終日に。で、4時までには芸能花伝舎。7時からレクチャーの強行軍。あ、是非明日多くの皆さんがご来場の程を。イロイロ、質問して下さい・・・・。

暑い日本の夏、兎に角元気に日本を楽しんで帰ってもらいたい。おれが、6日間ミンスクを楽しんだように。役者というヤツのていたらくについて最近思う。役者は甘えるだけ甘える、本来芝居なんてものは役者が作るモノなのだ。作家、演出家以上に、辛いが「集団」でしか作られなくて。その「作った集団」のもでしかない演劇というものを根本的に判ってない人種が多い。

テメエは好きだけど、「他人」としゃべれねえ、「他人」にしゃべれねえ自称「俳優」という名のナルシストが多すぎる。「他人」との関係で「人生」が変わっちまう!そんな演劇をやり続けるしかない!!!!で、郵政法案でボケボケの日本に唾しながら今週も終わりそうである。

明日、久しぶりの浅草。きょうは1時過ぎ就寝。 

 

8月3日(水)

♪ここは遠い国さ 俺に良く似た顔が集まる
   俺と同じ新しい武器を手にしてナイフのようにうろつく 
   ハードレイン ハードレイン 
   俺の頭をかすめるすごい弾の数 
   ハードレイン

泉谷しげる「ハードレイン」が昨日からアタマの中をぐるぐる回る。今日も朝から原稿書き10枚。なんとか5時過ぎに書き上げ、メールする。腹筋やるぞ「真夏の果実」。いや疲れる。10分。でも、2キロ減量。ついに70キロまで下がる。あと3キロである。

演出者協会の森井さんと電話で打ち合わせ。明日朝7時過ぎ、ベラルーシからルツェンコさんと古澤くん成田到着。9時過ぎ新宿のホテルチェック・イン。夕方、打ち合わせの予定。明日演博に行くか?展示も明後日までである。

歩いて早稲田まで、7時から劇団総会。子育てで休団中の谷宗和が久しぶりの出席。そろそろカム・バック?

来年のスケジュールの大まかなものを提示。この日記を読ん出る人だけに教えますが、来年は7月のベニサン・ピットで予定しているロングラン公演のみの1公演が劇団員総出演である。

そういった意味では来年はいろんな意味で劇団が変わる年になるかも。劇団員も現在23人になり、昔に比べて、やれる事、やりたい事が、もの凄く判りやすくなった。劇団がシンプルに存在することはいいことだ。9時から呑み会。12時過ぎまで、久しぶりの谷宗和が酒のつまみである。

弘子たちと馬場まで歩いて遅くまで「とおる鮨」で飲む。明日はお昼からベラルーシのリーディングの稽古。面白い本にノッテイル。頑張ってくれ!!

とにかく、私たちはやりたい事をやるしかない。稽古場にいる時間を精一杯楽しむしかない。

それにしても男たちはむさくるしいな。谷宗和と久しぶりに飲んでいるとそう思う。谷、やれよお前はかっこいいんだから!!みんな待っているんだから!!それにしても谷はみんなに愛されている奴だな。拓平もイワヲも七緒もうねべも嬉しくてたまらなさそう、いいな同期は!!

秋11月、劇団員総出演、乞う、御期待!!である。

で、今日も4時就寝。ハイ、お休みなさい。飲んだくれの目で「北村想のポピュリズム」をちらっと覗く。ウへッ!!想、「カレー屋」?!いつヤル、俺は金は無いけどいつでもスタンバイOKだぜ。

  

 

8月2日(火)

朝から例によって金にもならない「原稿書き」、といっても好きでやっていることだ。

今日のBGMは泉谷しげる「ベスト」と加藤登紀子「花がたみ」、この曲を聴くたびに死んだ藤本敏夫氏のことを思い浮かべてしまう。お登紀さんの死んだ旦那さんは俺が青学の全共闘時代の反帝全学連の委員長で、俺達に実に軽やかな「武装闘争」を教えてくれた同志社大学の先輩。新宿のフーテンと山谷の労働者が神田「カルチェ・ラタン(学生街)」の解放区から出撃するという夢想の革命のロマンを語ったカッコイイ男であった、で、68年7月神田カルチェラタン闘争で俺は初めて逮捕された。当時俺は20歳の彼の防衛隊員だった。

おっと、脱線だ。で原稿を夕方まで一気に書き上げ、メール。急いで地下鉄に乗る。

七時から中野ZERO小ホールで行なわれる「非戦を選ぶ演劇人の会」主催の「あきらめない、夏2005 イラクの「今」を見る・聞く・話す」に出かける。3年目だというのになぜか今年の観客は150人余り、昨年までの超満員の熱い盛り上がりは何処にいったんだろう?それでも、村田さんや楽塾のMやTといったいつもの顔に出会う。坂手、えりこさんといったいつもの姿がないと淋しいものだ。永井さんたちがそのぶん頑張っている。

イラク戦争が始まって3年、まだ、イラクでは「侵略戦争」が続いているというのに。そして、自衛隊はまだサマーワにいるというのに。これからが「非戦」の戦いの本番なのだ。俺自身かなり、ボケている、いかん。やれる事はいっぱいあるのに。

マジド・ガウード・ドレイミ氏の講演。氏はファルージャ出身の正統派レジスタンス「燃えるイラク」の議長。開戦以来30万人以上のイラク人が殺され、今も毎日50人近くのひとが殺されているイラクの現実。サマーワで自衛隊員は今基地から一歩も出られずひきこもったきり。「日本軍」は結局、アメリカ軍と同じ占領軍でしかないという現実。「元」サマーワ・日本友好協会の会長の貴金属店(!?)が爆破されているというのに、日本のメディアは「郵政法案」をめぐる馬鹿騒動のみ!!

サマーワの自衛隊はすぐにも撤兵させるように日本人は働きかけるべきだと氏は説く。また、サマーワは劣化ウラン弾の放射能汚染の墓場だと力説。そのとおり、何とかしなきゃ・・・・。

レジスタンスという民族自決の戦いを続け、占領を続ける米・英・日本軍と戦うと語るドレイミ氏の姿は素敵にりりしかった。通訳の平田伊都子氏のイラク報告も凄まじいものだった。ファルージャの殲滅戦のすさまじさ、無人の市街、破壊しつくされた町並み。人はここまで残酷になれるものか?そうだ、国際刑事裁判所でブッシュを裁くしかない!!などと書いても・・・。

メソポタミア文明の地、チグリス、ユーフラテスの大河の流れる豊かな国イラクにいつ平和がくるというのか?            

それにしても、昔の泉谷は過激だったんだな!!

リーディングお疲れ様。全てはこれからだ・・・・。歩いて1時間馬場まで汗だく、なぜかイライラする。眠れぬ眼で、辺見庸の「抵抗論」を久しぶりに読み直す。

 

8月1日(月)

♪葉月、すすき、満月の夜の仏壇運び・・・・寺山さんの『花札伝綺』 の少年の歌である。それにしても暑い。

今日の腹筋の歌はクールファイブ。これもイイな。夕方まで読書。夜7時から散歩2時間。神田川沿いを1時間歩く、椿山荘あたりは実に気分のいい散歩コース。何故か、ウォーキングの人の群れ。こりゃアカンと思って江戸川橋へ。で、ついつい、神楽坂越えて飯田橋まで。神宮の花火の音がずっと聞こえている。神楽坂ていろんな店があるんだな。ちょこっと横道に入るとほんとにいいたたずまいである。それにしても、せみの鳴き声がこんなに聞こえる町も珍しい。

マシュー・バーニー『拘束のドローイング』が気になる1日。ビヨークとの映像が見たいものだ。久しぶりの美術手帖。でも、買った本は谷川俊太郎「詩選集1・2」(集英社文庫)とDVD映画『自転車泥棒』(V・デシーカ監督作品)なんと500円!1年前確か駅で『片目のジャック』のDVDが380円で売っていて驚いたものだが・・・・いや嬉しい限り。

神楽坂で焼き鳥屋に入りビール美味い。で、又だらだら、早稲田を通り、馬場まで。途中、早稲田のビデオ屋で3本。『アドルフの画集』『トーク・トゥ・ハー』『ロスト・メモリーズ』メチャクチャな選択.。

今夜のビデオ『ロスト・メモリーズ』(イ・シミョン監督)韓国初の近未来アクション大作。『ブラザー・フット』のチャン・ドンゴンと仲村トヲル競演。1909年のハルピン駅頭での安重根による伊藤博文暗殺が成功しなかったら?という設定の韓国映画。2009年のソウルは日本統治下、不令鮮人という名のテロリストグループ対JBIという名の日本のFBIの闘いから始まって・・・・。まあ、B級映画としては飽きないし、韓国映画特有の大盛り上がりの映像と音楽には笑える。

劇作家・演出家秋浜悟史氏死去。学生時代秋浜氏の戯曲をよく読んだ。今秋に予定している「過渡期の演劇」のトークにも出てもらいたかったのだが、「聞き書き」にしようと話も出ていたのだが・・・・。合掌。

 

文月日記

7月31日(日)

今月最後の日記である。我ながら、このところ実にまめに書いたな、ホント。

結局昨日はなんだかんだで朝4時ごろ眠りについた。が、暑くて朝10時には起床。シャワー。ミネストローネとアイス珈琲の朝食。それでも体重は落ちず。楽塾の稽古に使う音楽を探して、12時過ぎ早稲田。1時間以上久しぶりに体を動かす、体を預けたり、狭い空間でもの凄く動いて移動したり、蹲踞、腹筋、すり足もやる。発声とイロイロ。全員汗だく。明日はカラダが痛くなるよ、とマッサージ。なぜか「地上の星」は発声にいい。イソさんの差し入れアミールSが冷蔵庫に入っている、感謝。

で、『十二夜』の1シーンの荒立ち読み。2チーム。やっぱり立って読むだけじゃ面白くないから、8月下旬、4回かけてシーン・スタディーをやる事にする。キャスティングもチーム分けもジャンケンで決める。「2週間でセリフ入れてきて」と宣言し「ええ!!」という声を尻目に稽古をとる。何人かは早稲田の演博へ・・・・・・・・。そうか、今早稲田はオープン・キャンパスなんだ?凄い人の群れ。がきの群れと一緒に歩いて馬場まで。早稲田松竹でルキノ・ヴィスコンティの名作『山猫』をやっている。同時上映は『サウンド・オブ・ミュージック』『山猫』の最終上映は7時15分。3時間6分、久しぶりにもう一度見るか・・・・・・。

7時早稲田松竹。宣伝文句に「映像の世界遺産」ねえ・・言えてる。シチリアの貴族社会の最後の日を描く超大作。B・ランカスターがいい。滅びの美学、1963年カンヌ映画祭グランプリ。アラン・ドロン、クラウディア・カルディナーレが若い。マカロニ・ウェスタンのJ・ジェんマもチョイ役で出ている。3時間6分、まったく飽きずに見れた。音楽はニーノ・ロータ、これがいい。ダンス・シーンがすばらしい。ワルツ、ポルカ、マズルカ。ヴェルディの「椿姫」の曲やオペラの曲も混じり、フェリーに映画とは違う壮麗さ。映画の全てが詰まった、アルイミ「貴族趣味」の映画。「老い」と官能的な「死」への渇望を描いたヴィスコンティの原点映画。『ベニスに死す』『家族の肖像』が見たくなった。

10時半映画館を出ると、酔っ払った楽塾のスギヤマ、イソ、セキグチの3人がいる。稽古終わってずっと飲んでたとのこと、で、カラオケまでやっていたという。何で待ち伏せ?!で、何故か、4人で居酒屋で終電の時刻の12時過ぎまでワイワイ飲む。2年後に予定している本多劇場の公演についてしゃべる。今日のワークショップは面白かった様子。次も楽しくいろんな事やろうぜ。余り、飲みすぎるなよ?今度みんなで飲みますか?

帰ってみるとテレビで染五郎の歌舞伎『冥土の飛脚』の中継、ちらりとラストシーンを見る。染五郎イイ。今夜はノアの「プロレス」でも見て寝るとするか。と、思ってチャンネルを回す。「映画の編集者」の歴史ドキュメンタリィをやっている。タランティーノやルーカスといった監督とエディターたちへのインタビューと映像でつづられた2時間近く。エイゼンシュタイン、ジガ・ベルトフやら吸血鬼ノスフェラトゥやらヌーベル・ヴァーグ・・・・・40年前の映画少年に戻って番組を見ていた。「俺たちに明日はない」「イージー・ライダー」「地獄の黙示録」の編集の話、面白かった。3時就寝。

 

 

7月30日(土)

朝から小林旭ヒット全曲集で腹筋。マザコンの歌かよ。蕎麦。

昼は中島みゆきの「地上の星」で腹筋、これはノレル。腕立て伏せ20回。ヘロヘロになる。年はとりたくないものだ。鏡の中に57歳で死んだオヤジそっくりの体形、顔が・・・・!?

お昼過ぎアマノにTEL。3分の1ぐらいは出来たとのこと。そりゃ、偉い。1時間半ぐらい170人近くの人間が真夏の夜に馬鹿ヤルていうのはすごい事だ。阪本篤篤 も頑張ってる様子。けが人が出ないことを祈るだけ。11月の『SMOKE』は30人で行くぞ!という。ケラさんにも伝えなくちゃ。でも上演時間は2時間以内だぜ。オレは8日大阪で「ベラルーシ特集」、9日名古屋に入りゲネプロを見て、10日初日を見る予定。11日は 『イエロー・フィーバー』の作家の友人リック・シオミが来日するので新宿で来年秋に予定している『盟三五大切』アメリカツアーの打ち合わせ。

今日のCD。「CAI DAN ZHOUO MA」中国の民歌。テレサ・テンの「月亮代表我的心」蒙古人の「TENG GER」。今年の1月北京で買った3枚を聴きながら何故か岡崎京子「ぼくたちは 何だかすべて 忘れてしまうね」読了。ジリツしたフリーの少女娼婦・・ねえ。漫画家の書く物語集(小説)て面白いな、しりあがり寿しかり。いつの間にか6時。大急ぎで地下鉄に乗る。

7時から奈佐健臣のひとり芝居『青翅に眠る』(快飛行家スミス第2回公演)を神楽坂AYUMIギャラリーで見る。奈佐はオルガン・ヴィトーを辞めてから、古い洋館でノスタルジックな1人芝居をやっているという。神楽坂のギャラリーも昭和22年に建てられた洋館。客は10人も入れば満員のフツーの家。客は11人だった。男4人、女7人。26歳の女性の作・演出家。ミステリー仕立てのロマンティックな兄弟の物語。1時間近く、まったく飽きずに見れた。俺は一人芝居は好きじゃないが、面白かった。でも、この物語ていつの時代?てカンジ。次は萩原朔太郎の『月に吠える』原作とのこと。ふーん。作家は建築を勉強しているとのこと。で奈佐を支えているのはみんな若い女性スタッフ。いやはや、感心。

奈佐たちと神楽坂の古い飲み屋で飲む。今日のマチネの客は3人だったとのこと。奈佐は初体験と笑う。上手く宣伝したらこの「古い洋館を使った昭和ミステリーもの」の企画当ると思うが・・と、要らぬお世話で制作的な事をアドバイス。(宣伝と町とのタイアップについて等)チラシ2万枚まいても客100人じゃ、「せめて、チラシ代ぐらい客呼べよ」とハッパかける。が、心意気やよし。やりたい事をやるしかない。ここから始めればいいのだ。癖があるが奈佐はエネルギッシュで繊細ないい役者である。見ていて、この「生き方の下手な役者イイナ」とつくづく思った。次は来年の2月とのこと、頑張れよ。来年あたり一緒になんかやろうぜ。

神楽坂から歩いて早稲田まで。10時半過ぎ、男5人が稽古を終えて飲んでいる。どうだ?と聞くと「順調」とのこと。シーン的にも2シーンぐらい取っ掛かりが出来たという。まあ、気長に。あ、声を出してあの時、泣けばいいのに・・・・なんて話に笑う。

事務所に行くと「tatsuya」の客演陣が決まったとの知らせ。椿組の女優鳥居しのぶさんがでてくれるとのこと、加地くんも。そして、久しぶりの中田春介、栗原好みのいいキャスティングである。あとは栗原と4人のうちの役者の力だ。台本はいい、熱とエネルギーと批評力。アタマとカラダ全部使えよ!!奈佐にはエラソーに言ったが、うちも制作的にはいつもの事だが大変!!

自宅への道、早稲田通り。12時近く、何故か今夜は、着方がまるでなっちゃいない若い浴衣姿のカップルが多い。そうか、今日は両国の花火大会か、あ、馬場でも夏祭りかいな?見ると研究生のFが甚平着て浴衣姿の女の子と・・・・・・?!オレに気付いて大声で「おはようございます!」には苦笑した。  今夜も、熱帯夜である。劇作家大会のチラシが佃から送られてきている。なぜか、8・9月名古屋に随分行くことになるな・・・・。あ、もう4時だ?!

 

7月29日(金)

2日間の短い夏休みで感じた事メモ。

しりあがり寿はピカソ?!ピカソ展でピカソの作品を観るにつけつくずく思った事。ほとんど同じタッチである。ピカソが「日記をつけるように作品を書く」云々は成るほどと妙に納得。ピカソの漫画風のそれはしりあがり寿風。急遽、「真夜中の弥次さん喜多さん」(河出文藝文庫)の小説を読む。「リアル」?!ねえ。

久しぶりに海を見た、海辺を歩く。まるで「土方焼け」といった風に肩が焼けてしまった。それにしても2日間よく歩いた、足がパンパンにはれている。痛い。それでも体重は減らず・・・・・。あと3キロ減量を。

昨夜のビデオ『菊次郎の夏』。夏休みにぴったりの作品、ひさしぶりに見る。寅さん風のたけしロード・ムービー。コンボイの今村ねずみが出てたんだ?4合瓶があっという間に空いてしまった。久しぶりの日本酒。なぜか、美輪明宏の「ヨイトマケの歌」がこの2日間のテーマ曲となる?

スペース・シャトルは地球に無事帰還出来るのだろうか?モントリオールの世界水泳三昧。時折、起こる地震。熱中症にならない様に気をつけてこれからは歩くとするか。サザンの新曲CD。美空ひばりの曲「りんご追分」のカバー実にイイ。夏の甲子園の最終予選も始まっている。高校球児の夏。せみの鳴き声、蛍の夜。

さて、7月28日(金)である。

2時から新宿オスカーでS・スピルバーグ監督&T・クルーズの『宇宙戦争』を見る。H・GウェルズのSFの古典を現代風にアレンジしたいわゆる超大作。エイリアンみたいな未知の宇宙生命体が地球を襲う、そしてダメな父親が子供を守りぬく物語。スーパー子役のダコタ・ファニングの名演技てやつ。ホントにこのガキ芝居上手すぎ。『アイ・アムSam』以来『マイ・ボディーガード』でも参ったが・・・今回もこのガキの芝居で持っているようなモノ。結局、微生物の存在で100万年地球の地下にいた宇宙生命体が滅びるという漫画のような結末には笑わされた・・・・・。トム・クルーズは『ラスト・サムライ』もそうだがダサーイ役者であるな。が、ヒーローではなく逃げ回るダサーイ男というのは良かったかも?!ナレーションはモーガン・フリーマンなんだ、ふーん。ラストのクレジット・タイトル見て気付く。

いつものように、大久保にいってドン・キ・ホーテでマッサージ機で10分。短パンと水着とスリッパを買う。歩いて馬場まで。途中、西早稲田のブルーテントのひとびとの健在ぶりを見て、オマケに区民プールを覗く。明日泳ぎに行こう。

7時から恵美と帆足と三人で「夢屋」で飲む。先週から約束していた「呑み会」10時まで。

沖縄の西表島の話から芝居の話まで、それから縄文と弥生文化について、で、江戸時代の鎖国文化についてのあれこれ。あ、それから、インドの話も出たな。行けよ、行きたきゃ恵美。病気少し直りつつあるとのこと。帆足はボイス・トレーニングやるといってるがホントにやれよ、あ、それから、踊りもな。久しぶりの「夢屋」相変らず、タバコばかり吸ってるママ、こちらもツイつられて2箱も吸ってしまった。2人ともほとんど飲まないので焼酎のボトル半分以上一人であける。毎日この調子だから太るんだな。

今夜のビデオ。黒澤明の『生きものの記録』フツーの市民の原水爆への恐怖を扱った映画。1955年の作品、こんな映画が撮れたのだからこの頃の映画って本当に力があったんだな。三船敏郎てイロイロの役やってるんだな・・・・。『七人の侍』の音楽家早坂文雄の遺作。エンド・タイトルのあと数分間スクリーンは黒味のまま「終曲」が流れる。皆さん是非、ヒロシマ・ナガサキの原爆記念日の前に見てください。8月になるとおふくろが子供の頃の夏、いつもナガサキの原爆のきのこ雲の「美しさ」について語ってくれた事を思い出す。もうすぐ、一昨年冬86歳で死んだ母の2回目のお盆である。

あ、それから8月6日・7日チェルノブイリ被爆の国ベラルーシの演劇ワークショップ、レクチャー、リーディング是非ご参加の程ヨロシク!!

 

7月28日(木)

朝から暑い。今日の日記もお休み。明日から。つまり短い「夏休み」である。

 

7月27日(水) 

    台風一過。朝から暑い。今日の日記はお休み。 

 

7月26日(火)

朝から雨。というより台風7号の接近である。今日の夜には関東に上陸するという。朝9時過ぎに起床。眠い、昨日は4時近くにメチャクチャ酔っ払って寝たからアタマ、がんがん。スープ、珈琲。

11時から芸能花伝舎で日本演出者協会の理事会。推薦理事七人が決まる。鈴木裕美、松本祐子、羊屋白玉の女性三人が加わり、一気に4人の女性理事が誕生。大西、森井氏は続投。篠崎光正氏、名古屋の木村繁氏と新しく加わり全体的に若返った。

2年後のNPO法人化も含めて、代替わりのための時代。困難な仕事がいっぱいアル。6期目の副理事長を宮田、貝山両氏と共にあと2年間務める事に相成った。事業部長:宮田慶子 国際部長:貝山武久 出版部長:ふじたあさや 地域交流部長:西川信廣 広報部長:森井睦 法務・NPO法人化研究部長:瓜生正美 若手演出家コンクール実行委員長:大西一郎    事務局長:和田喜夫といった福田過渡期内閣の布陣。私は広報担当、そして事業部、来年3月の「演出家の集い2006」の責任者。やれるだけのことはやる!コンクールの審査員に最優秀賞受賞者を加える事を決定。坂手にもイロイロやって欲しいのだが・・・・。ボランティア的仕事だが演出家の次の世代を作るためにだ。

3時まで会議。例によって、蕎麦やで昼飯。9月14日芸能花伝舎で予定している「過渡期の演劇」と題したトークセッションについて雑談。福田善之、ふじたあさや、貝山武久、内山鶉の4人の演出家に加えて評論家の七字英輔氏の5氏による1960年安保当時のいわゆる「新劇」についてのトーク。今年度の出版事業の一環でもある。今年の夏には「アングラの仕事」と題する本も協会は出版する。次の世代の連中がこれらの仕事をやれる状況をキッチリ2年で作るしかない。なるべく時間を作って地方に出かけたいと思っている。

あ、8月5日〜7日芸能花伝舎で行われる「ベラルーシ特集」是非レクチャー、リーディング、ワークショップに多数ご参加の程を!!私は毎日会場にいます。大阪にも行きます。大阪のリーディングの演出は深津篤史である。小林七緒のリーディングのキャスト、すばる、円、ピープルシアターに加えて伊藤弘子。面白いと思います。本はメチャクチャ面白いです。笑えます。

テレビの台風情報を見ながら酒でも飲むか。隣の神田川がゴーゴーうなり声上げてやがる。子供の頃はいつも台風の時はコーフンして嵐の中を走り回ったもんだ。翌日、びわの実が落ちていたっけ。フーン、スペースシャトル打ち上げか?で6カ国協議!

台風はいつの間にか行っちまった。世界水泳をみる。松尾スズキの『母を逃がす』を読みながら寝る。

 

 

7月25日(月)

 

朝11時から朝刊を読もうと思って、馬場の「しらゆり」にいってブランチ。朝日新聞とスポーツ新聞をめくる。1時近く自宅に戻って、ホームページの作成。少し、曲がっているが何とか表ページの変更に成功。レイ・チャールス、ベシー・スミス、ビリー・ホリディー、アレサ・フランクリンの3枚組みのブルースCD3枚組みを聴く。3年前カナダで買ってまだ聴いて無かった。全30曲イイ。

夜7時から新宿サザン・シアターでMOPの『水平線ホテル』(マキノノゾミ作・演出)。満員。イタリアの戦時中のお話。原爆の話やら、ムッソリーニ政権の話やら、ユダヤ人問題やらイロイロ盛りだくさん。皆さんイタリア人をやってらっしゃる。外国ものというより「スティング」のようなウエルメイドの大衆演劇。なんか、全部アメリカ映画、ってカンジの「良心」がみちあふれる作品。ラストシーンは広島原爆投下!!映画音楽が劇的に高鳴り。役者はみんなムチャクチャ上手い。小市慢太郎、三上、キムラ、皆さん役者のプロ中のプロである。若手の役者までみんな揃っている。「劇団員総出演」!いやはや、頭が下がりました。劇団のもつ心地良さとがここにある・・・・・・?

「物語」という名の「良心」て奴、実はコイツが曲者なのだと思う。「作品」という名の言葉の「諧謔」に遊ぶ時集団創造としての演劇は死ぬのかもしれない。 書かれた「歴史」なんか信じないほうがいい。「歴史」は作るものなのだ。まあ、うちのように馬鹿の群れの作るイイカゲンでボロボロの「物語」の「残骸」の方がいいのかもしれない。無名のギラギラとした「今ここにある」ことに対する「怒り」と「貧しさ」を忘れない眼こそが、原初として、演劇を生み出すエネルギーなのだ。そんなことを思いながら芝居を観ていた。役者=観客=批評者?「世界」は何処にある?

オレは無いモノねだりしているのか。所詮すべて「演劇」でしかないことへの苛立ち!!そして全てが「商品」でしかない事への苛立ちが最近沸々。そんなときはなぜか、渡辺真知子の♪カモメが飛んだ がトートツに口をつく。で♪泣いてララバイ だぜ。

劇場でちょっとむかつく事があったので、そのまま花園神社へ向かった。すでに椿組のテントは無かった。雨の中、覗くと外波山や由美子たちが飲んでいた。「本当にお疲れ様」といい、「クラクラ」へ。久しぶりのゴールデン街。演劇団の元劇団員恭子の店「うとうと」へとハシゴ。5年ぶりぐらいに恭子と会う。ダンナが『新宿ブギ・ウギ』に役者で出ていたので、聞いて寄ってみた。イイ店である。

相変らず、ブルースを歌っているとのこと、嬉しい限りである。10月の「新宿ブルース・ナイト」必ず見ると約束して2時近く台風の雨の中帰宅。オレも本格的にブルースやるか?25年ぐらい前、新宿ACB会館でオレの演出でブルース歌手デビューしたのが恭子か、ヌード写真撮ってくれたのがアラーキー。みんな頑張ってるな。そういえばサザンシアターで田根楽子の顔見かけたな。

で、♪現在、過去、未来・・・・迷い道くねくね  である。今夜は飲みすぎ。色っぽく♪唇よ、熱く君を語れ とラストシーンは誰かに歌いたいものだ・・・・。

ハイ、おやすみなさい。

 

7月24日(日)

朝11時から楽塾の予定だったが1時間遅刻お昼から。スミマセン。『十二夜』の本読み、3回目。で、スペシャルで斉藤憐の『異邦人』を読む。面白い、がこれをやりたい、ということにはならなかった。来週は久しぶりにからだを使ったワークショップと、シーンを決めて台本を立ちながらよむことにした。じゃんけんでチームを作って、じゃんけんでキャスティング。遊びましょう。

5時に稽古終わり、早稲田のスープ・カレー屋さんで夕食。事務所で少し仕事。8時過ぎに稽古場真実さんの稽古を覗く、みんな様々な形で動いている。みんなの身体をじっくり見ている状態。本格的な稽古は来週から・・・・。あ、今日から『静かなうた』前売・予約開始です。お早めにご予約の程を!!

早稲田のビデオ屋で5本、例によって旧作ばかり。篠田正浩『暗殺』北野武『菊次郎の夏』チャン・イーモウ『紅いコーリャン』黒澤明『生きものの記録』伊藤俊也『女囚さそり第41雑居房』。だらだら歩いて30分、帰宅。

で、今夜のビデオ。『暗殺』から、幕末のテロリスト清河八郎の生き様を丹波哲郎主演で描いた篠田正浩ぽい映像、佐田啓二の坂本龍馬、木村功の佐々木只三郎、岡田英次といった役者も揃っていて実にいい、笑えるのは若いニナガワの姿、ほんとに大根!いいなあ、ニナガワさん。岩下志麻はつまらないチョイ役。丹波哲郎さんという人はほんとに変わらない役者である。10年ぐらい前テレビドラマで御一緒した事があったが、いつも変わらず笑えるキャラクターである。

それにしても主観のカメラワークがさえている。武満徹の音楽もいい。

1時からノアの東京ドーム大会の川田VS三沢戦をテレビで見る。久しぶりにプロレスらしい試合を堪能。1歳違いの足利工業高校以来のライバルの戦い、エルボーとキック。5年ぶりの決着戦。橋本の急死という悲しいニュースもあったが、身体と身体をぶっつけあう実に単純な闘い。こんな試合を見ているとやっぱりプロレスはいいなと子供のように思ってしまう。小橋VS健介戦も素晴らしかったとのこと。ここ15年プロレス会場に行ってない。15年前まではどんなに忙しくても必ず足を運んだというのに・・・・。

チョップ合戦200発!!判りやすい!痛い!気持ちいい。こんなのが観たい。芝居もおんなじだな。

「近代市民劇の成立は、俳優から演劇の創造主体としての地位を剥奪し、舞台と客席との積極的合一によるトータルな芸術としての演劇は崩壊した」「前近代演劇のダイナミックスを役者=演技の自律性に見いだし、それを支える<変身の思想>をさぐりつつ、現代における演劇の可能性を追求する。」という広末保氏の言葉が不意に蘇えった。格闘技、プロレス、現代演劇、新劇、アングラ、小劇場、歌舞伎という言葉をこの文章に当てはめてみたらいい。

SIONの「SORRY BABY」を久しぶりに聴きながら眠りに付く・・・・。

 

 

7月23日(土)

今日も朝から1日中金にもならない原稿書きである。夕方4時ごろやめ明日にする。腐っている畳の上のカーペットを新しいカーペットにしようと思って悪戦苦闘し始める。作業中エジプトでの爆破テロのニュースに驚いていたら、今度はボロアパートがグラグラ揺れ始めた。ついに、来たか大地震てカンジ!!にびびりまくる、「震度5弱」だと!!で、稽古場に電話。電車もほとんど止まってるとのこと。今日の稽古は中止となる。一体どうなってるんだ、地球は。

何とか、8時近くに新しいカーペットを敷き終わり、気分もすっきり、近くの沖縄蕎麦屋でオリオン・ビールとゴーヤ・チャンプル定食。昨日に続いてオール・スターをちらり観戦。セ・リーグが昨日に続いて勝った。

三池崇史の『漂流街』1時間見てやめる。2度目の挑戦だがやっぱり、面白くネー。

で、口直しにF・フェリー二監督の『そして、船は行く』。これぞ映画の醍醐味。コマおとしのサイレント映画風の始まり、オペラと戦争、犀、難民、映画でしか出来ないモノを詰め込んだ、チネチッタの傑作。ああ楽しかった。やはり、これに比べると三池は「糞」だ!!糞映画だ。それはそれで面白い時もあるから・・・。3時就寝。

明日は11時から楽塾。夜は『静かなうた』の稽古。

 

7月22日(金)

12時に起床。1時に駅で日曜楽塾で本読み予定の斉藤憐の『異邦人』の戯曲を杉山さんに手渡す。今日は1日中原稿書き夜7時まで。1時間散歩。西友でシャツと短パンを買う。本屋で立ち読み。8時から久しぶりにテレビで野球。オールスターゲーム。帆足と恵美が来週飲みましょうと電話。恵美が体調がよくなっているとのこと。良かったな。

清原13号。渡辺のアンダースロー、クルーの剛速球は凄い!!といいながら私は最近野球を全く見ていない。それにしても清原も松坂もいい役者である。

中国の「人民元の切り上げ」って、どうなるの?30年後アジアの通貨は統一されるの?勉強しよう。

今日のビデオ『帰ってきたヨッパライ』1968年大島渚監督作品。『絞首刑』のあとに作ったフォークルをビートルズのように撮った娯楽作品。実に若ーイ足立正生氏の顔には笑ってしまった。ベトナム戦争と朝鮮人問題を扱った実験映画!!これを松竹の映画館にかけてたんだから松竹はえらい。そうか、この頃おれは状況劇場の研究生だったのだ。この翌年が『新宿泥棒日記』?「ゴダールしまくっている」大島渚。初めて原宿の若松プロの事務所に行ったのはいつだったけ?そんな事を思い出しながら観ていた。それにしても緑魔子がキレイだ。

今夜のビデオ第2弾。市川崑監督『穴』京マチ子主演。コレゾ映画!凄い珍作是非皆さんも観てください。2時間あっという間。漫画みたい、チラリ『鉄腕アトム』の本が出るところもあり。50年以上前の東京のフーケイがシュール。黒澤といい崑さんといい街の描き方、廃墟の描き方が凄い大島もしかり。街の時間を演劇に取り込む方法は?

 

7月21日(木)

10過ぎに電話で起こされる。2時半大隈講堂前。久しぶりの演博。田中は病気の検査中といっていたが元気そう。40年以上のナガーイ付き合い。高校時代いつもつるんでワルしていた親友。田辺とは30年ぶりぐらい?アタマがすっかり淋しくなってオジサンになってしまっているが、しゃべっていると高校時代にもどる・・。

30分ぐらい観る。楽塾のコーナーは初めて観た。『夏の夜の夢』の衣裳が実にステキ。オレのヌードにご両人爆笑。早稲田の喫茶店で2時間ぐらい世間話。田辺は広告事務所のディレクター&プロデューサー。何故か瓜生さんの青年劇場の知り合いとのこと、世間は狭い。田中は「ブログ」をやれと勧める。イロイロ聞いたが良くわからん。田中元気でいろよ、病気になってる暇ないし。オレも病院に行けと盛んに勧められる。

2人と別れ事務所にいくとやっぱり昨夜の七緒の腕にはヒビが入っていたとのこと、いや早。

7時、新宿で映画でも観ようと西武線に乗るとキャラメル・ボックスの大内君に久しぶりに会う。元気そう。来年も是非ウチにでてほしいものだ。

新宿スカラ2で『モディリアーニ〜真実の愛〜』(ミック・デイヴィス監督脚本 アンディ・ガルシア主演)を観る。エコール・ド・パリの時代のアーチストを描いたもの。ピカソ、コクトー、ユトリロ。、ルノワールが出てくる。キュービズムやシュールレアリズムが生まれた時代の若いアーティストの青春グラフティ。モディリアーニは特に好きな画家なので2時間以上楽しく観れた。帰って久々に画集を開いてみる、モディリアーニ、ユトリロ、スーティン、ピカソ。

歩いて40分余り馬場まで。途中、ビデオ屋に寄る。旧作100円の日。F・フェリー二の『そして、船は行く』大島渚『帰ってきたヨッパライ』市川崑『穴』黒澤明『悪い奴ほどよく眠る』三池崇史『漂流街』の5本を借りる。多分全部見ている作品だが、何故か時々もう一度見たくなるヤツ。

12時前に帰宅。ロンドンで再び、爆破テロのニュース。ブレアがニュースに映っている。2週間前起きた同時多発テロ事件と同じように。戒厳令下、監視国家ともいえるロンドンでテロが日常化する?!そしてイラクでは今日も・・・・。戦争とテロの時代。そういえばいつの間にか東京の警官も全員防弾チョッキを着用して勤務しているな。ロンドンのテロは9・11とは違い国内のグループ。テロリストは内なるものに・・・。

黒澤明監督の『悪い奴ほどよく眠る』1960年の作品。汚職事件を扱った娯楽篇カッコイイ。3時就寝。

 

 

7月20日(水)

午前9時眠い目をこすり起床。朝から蕎麦を食べ11時歌舞伎座。

『NINAGAWA 十二夜』(作/シェイクスピア 演出/蜷川幸雄)を観る。スゴーイ、セット。スゴーイ照明。ムチャクチャ金かかっている。

で、歌舞伎!?菊五郎は好きなんだけど。シェイクスピアまんま、時代に対するひねりも批評もなし、実にいい大衆演劇。でも、超満員の客が、ニナガワさんの歌舞伎進出を受け入れている事実の証明?いいんじゃないですか。

ま、4時間半飽きずに観ました。でも、なんか手が無いのかな・・・・?来年楽塾版の『十二夜』でやれるだけの事をやってやる!!と決意をアラタにした。やっぱり、狙いはアホ=道化の群れの描き方にあるな、シェイクスピアは。

6時から早稲田で『静かなうた』の顔合わせ。「からだ篇」と題された3枚13シーンのテキストをキャスト、スタッフで読む。さてどうする!?役者達である。面白い、前代未聞の演劇の冒険がはじまる。

6時半から、北村真実さんのワークショップ。ストレッチで始まり、リフト、相手に「身体を預ける」行為の反復。芝居と同じじゃん。本格的な稽古は23日から。小林七緒がリフトで腕を痛める!!兎に角気をつけて稽古してくれ。

8時半から呑み会。白井圭太、ラビ、悪源太、木暮ら男優陣と11時過ぎまで格闘技=演劇談義に花咲かせる。で、歩いて馬場まで。

亨は骨折。代役で花園野外劇は続行とのこと。頑張れ、外波山!!そして皆さん。折り返し初日です。

今夜のビデオ『北の零年』(行定勲 監督 吉永小百合主演)3時間10分一気に見せる久しぶりに映画らしい映画。4時近くに就寝。明日は高校時代の友人田中、田辺と三人で3時に早稲田の演博詣で。

 

7月19日(火)

打ち上げのあと伊藤さんと1時過ぎまで飲んで、バタン、キュー。目を覚ましたらお昼。大急ぎで、王子小劇場に向かう。ひょっとこ乱舞の『旅がはてしない』を見るため。広田淳一の新作。2時間、面白い。少し長いと感じるところもあるが楽しかった。

7時から椿組の『新宿ブギウギ』(作/鈴木哲也 演出/伊東由美子)を花園神社で見る。若杉、亨、沖田といった奴らを見るため。こちらも2時間、役者達は頑張ってるが。何故かわたしは「時計」ばかり見ていた。そしてラスト・シーン近くに亨が・・・・!!

兎に角、みなさん頑張って下さい。久しぶりに水谷龍二さんにも会った。大谷真一と弘子、若杉の同期生が飲んでいると大久保にあったころの演劇団の稽古場を思い出す。

宴たけなわの花園を後にして早々に、馬場まで歩いて帰宅。

今夜のビデオ『約、30の嘘』(大谷健太郎監督作品) 30分見たが耐えられず寝る。トロイテンポ。どこが土田英生?!

明日は朝11時。歌舞伎座『NINAGAWA 十二夜』