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流山児★事務所 創立20周年記念公演
ベニサン・ピット20周年記念事業
『桜姫表裏大綺譚』 さくらひめ おもてうら だいきたん |
Photo by Natsuno Ichigo
[原作]鶴屋南北 「桜姫東文章」より [脚本] 佃典彦(新作) [演出]流山児祥 |
[出演]中村音子 若杉宏二 大内厚雄(演劇集団キャラメルボックス) 風間水希 |
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2005海外バージョン |
Photo by Arai Tetsuya
[原作]鶴屋南北 [脚本]山元清多 [演出]流山児祥 [音楽]本田実 |
[出演]伊藤弘子 青木砂織 木内尚 沖田乱 横須賀智美
上田和弘 |
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あらすじ 劇評 |
2005年1月6日(木)〜16日(日) |
2004年11月13日(土) 前売開始 |
予約・問合せ 流山児★事務所 03−5272−1785 |
【2作品通しチケット】 6000円 (イープラス 流山児★事務所のみ取扱 先着100枚限定) |
[1作品チケット] 前売 4000円 当日 4500円 学割 3000円 |
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昼2:00 |
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夜7:00 |
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※開場は開演の20分前。当日券は1時間前より発行します。
=『桜姫表裏大綺譚』
=『盟三五大切』
『桜姫表裏大綺譚』
2005年新春を2005年の新春をオールスタア総出演で飾る超娯楽巨篇。俊英・佃典彦が映画『キル・ビル』にインスパイアされて書き下ろす『桜姫東文章』のB級アクション音楽劇。
殺し屋界の女王と呼ばれる美しき獣、コードネーム「桜姫」、暗黒の世に身を委ねるカルト教団のホモ教祖「自久清玄」、殺し屋集団を組織する若頭「松若」とその右腕「軍助」、トップの座を狙う二番手殺し屋の「長浦」とカルト教団の「残月」、殺し屋集団の調査に乗り出しつつ「桜姫」に心奪われる警視正「入間悪五郎」、その部下であり武芸百般、若手刑事の「松井源吾」、そして「入間」に見込まれた出生不詳、謎に包まれた正義の味方「釣鐘権助」、なんと『桜姫東文章』の善玉と悪玉を総入れ替え「桜姫」の何が悪で何が善かを再検討し、「物語」の本質を今一度抉り出す試みと同時に音楽劇仕立てのアクション絵巻である。
原作「桜姫東文章」あらすじ「桜姫東文章」は文化14年(1817)3月河原崎座での初演された。僧「清玄」と「白菊丸」の同性愛心中から始まる。そして清玄だけが生き残り 17年後、白菊丸は「桜姫」となって生まれ変わる。立派な僧となっていた清玄の前に桜姫が現れ やがて清玄は桜姫が白菊丸の生まれ変わりだと知り桜姫への愛を募らせ、乞食に身をやす。一方、桜姫は前世の因果を知らず、自分を犯した盗賊「釣鐘権助」に恋焦がれ、権助のために貧しい女郎へと身をやつす。桜姫と権助の子供を抱えて桜姫を捜し歩くうちにすっかり、病みほうけた清玄は自らの死に際に桜姫にもう一度、心中を迫るが、逆に刃物が喉笛に刺さり死んでしまう。桜姫は評判の女郎となるが、しばらくすると決まって枕元に幽霊が立つと言って店を出されてしまう。そして、ある日桜姫は自分の親、兄弟を殺し、家宝を奪った家の仇が権助であったことを知り、酔いつぶれた権助を自らの手で殺し、家宝、都鳥の一巻を奪い返す。
『盟三五大切』
解説
鶴屋南北の歌舞伎世界を180年の時を超え「戦争の時代」の今、全世界に向けて発信。勧善懲悪のまやかしと運命の悲劇をあざ笑い、あっけらかんとしていて乾いている。ギラギラしていて、やりきれない。金が狂わす、男女の運命。「討ち入り」という大儀のために人を騙し殺し合う。悪とエロスと笑いに満ちた流山児版「もう一つの忠臣蔵」。
あらすじ
浪人・薩摩源五兵衛は、実は赤穂浪士の一人の不破数右衛門。亡君の仇討ちに加わるために盗まれた御用金を弁償しなければならない。ところが芸者・小万に入れあげてその日暮らしの金にも困っている。見かねた叔父、助右衛門から百両を受け取った源五兵衛だが、三五郎にそそのかされ、小万のもとへ出かけてしまう。小万の情夫である三五郎は小万とひと芝居組んで、まんまと源五兵衛から百両を巻き上げる。騙されたと知り激昂した源五兵衛は小万と三五郎を斬るつもりだったが、2人は取り逃がし誤って仲間の5人を斬り殺してしまう。逃げ延びた三五郎夫婦は長屋で一息吐くも束の間、源五兵衛に行く手を追われ……。
劇評
「Theatre Arts」 004年秋号 江森盛夫
今回、流山児はこの作品の演出、趣向をがらりと変えた。主要人物二人を女優が演じる。歌あり、踊りあり、殺陣ありの「流山児タカラヅカかぶき」と呼ぶしかないものに仕上がっている。女優二人が侍を演じたことによって<大義>に呪縛ざれた人間の愚かさ悲しさが増幅され、また<大義>という至上のイデオロギーが血なまぐさく君臨している現在を炙りだした。
「熊本日日新聞」 2004年8月6日『東海道四谷怪談』の作者、四世鶴屋南北の原作で、芸者とその夫に金をだまし取られる赤穂浪士を軸に展開する愛憎劇。流山児氏の演出で歌や踊りを交えたエンターテイメント作品に仕立てられ、役者のエネルギーと作品の重厚さが舞台で交錯した。
「日刊スポーツ」 2002.12.10 梶繁男
400年前の歌舞伎を「現在(いま)の演劇」として再構築し徹底して悪の美学を描いた舞台。残酷な悪の奥に人間の本質が透けて見えた。
「朝日新聞」 2002.12.27 今村修
赤穂浪士の一人、不破数右衛門を主人公に金と色の因果が渦巻く世界を描いた鶴屋南北の歌舞伎を極彩色の音楽劇に仕立て、すばらしい悪の華を舞台に咲かせた。「テアトロ」 2003年2月号 渡辺保
スピーディな展開が、誰にでもわかりやすく、しかも衝撃力を強めて爽快である。見ていて私は南北の歌舞伎が意外にも近代的なバランス感覚をもっていたこと、そして百両の金の変転を合理的に措いてきわどい綱渡りを演じて、ほとんどナルシスティックな会心の笑みをうかべているような気がした。 あのスピード感と戯曲の明快さは、多くの『盟三五大切』が学ぶべきであろう。
「テアトロ」 2003年2月号 斎藤偕子
南北の描く世界、大量の残忍な血を流した忠臣蔵にまつわる人間模様の虚しさの最たる想いを、ずしんと残した舞台だった。
「まなぶ」 2003年2月号 瀬戸宏
討ち入りという大義のために人を騙し、殺し合う『盟三五大切』。歌舞伎では凄惨な殺し場が一つの見せ場なのだが、流山児演出では扇情的な場面は抑えられ、劇中の人間関係を浮かび上がらせることに重点が置かれる。それは、「討ち入り」という大義と個人の情の間でもがく人間の姿である。大義のためには、人を騙し、殺しても許されるのか。大義の実現の裏には、いかに多くの犠牲があるのか。歌舞伎、現代演劇の双方で『盟三五大切』を観てきたが、今回ほど劇構造がよく理解できたことはなかった。
●公演は終了しました●
【2作品通しチケット】 6000円 は売り切れました。
[1作品チケット] 前売・4000円 当日・4500円 学割・3000円