稽古場日誌 「永遠」篇

 

11月10日(水)

ついに、明日は初日である。11時から明りあわせ。予想どうり8時間かかり最終通しは9時前。
ボロボロになりながらも、なんとかやりきった、皆えらい。
兎に角1秒も息が抜けない芝居を作ってみた。

明日は10時から最終チェック、11時から劇場作り。

「稽古場」が「劇場」になる瞬間が私は一番好きだ。
明日そうなる。
とにかく、久しぶりにわくわくする、ロマンティックな芝居である。俺もキッチリ本番は決めるぜ、いやホント。
2本続て役者やってよかった。帆足知子に感謝。

ただし演出もやったのでストレスでダイエットには失敗。相変わらず3キロオーバー・・・・。
差し入れは、お酒よりもヘルシア緑茶がいいな。

これで『永遠』の稽古場日誌、ジ・エンド。
明日から「劇場」でお待ちしています。

 

 

11月9日(火)

いや、念ずれば通ずである。いやはや、異常な具合に今日は皆、面白くなっている。

たぶん、全員3日間ほとんど寝てないので、頭と体に余分な物がないからだろう。

急遽、昨日の真夜中、木暮に音響のオペを頼んだ。仕事の関係で3日間一睡もしてないのに初の通し、カンペキである。感謝。太郎にも一言録音、感謝。劇団だからこそである。

明日は、11時から明りあわせ、7時ゲネプロである。明りはなるべく簡単にする気だが・・・・。
なにしろ明り家泣かせの空間である。初めての岡野くん苦労するな。それにしても新しいスタッフとの仕事は楽しみである。

とにかく、この芝居、俺も含めて、役者の異常なまでの集中力が全てである。

それにしても、初日がこれほど待ちどうしいのも久々のことである。とにかくいろんな人に見てもらいたいが宣伝不足は否めない。この日誌読んでる皆さん必ず観てね。

 

実に濃い10日間の稽古だった。
皆ありがとう。そうだまだ俺の歌と踊りのシーンまだダメだった・・・。
役者、流山児祥の闘いはこれからだ!!!

 

 

11月8日(月)

せっぱ詰まった状況である。

途中から「共同演出」を引受けたから、それまで帆足と作ってきたスタッフとのコミュニケーションが少しねじれてしまった。

なんとかするしかない。

が、芝居は面白くなっている。帆足には辛い日々だとは思うが、帆足が作ったものが奇妙な生き物に今育っているのである。ただ俺の妄想が、そして役者たちの妄想が少し過激になり帆足の路線をよりアブストラクト化しムーブメントにこだわらせているのかもしれない。それがラストでまあ、少しトラブっているのだが?帆足好みのとてもロマンチックでグロテスク、美しい純愛に仕上がっている。

兎に角がんばろうぜ。楽しくな。最後はやっぱり芝居への愛で。

シュート、明かりあわせ、前半終了。午前3時。まだ皆、作業中。

 

 

11月7日(日)

いやあ、本当に貧乏暇なしの日々である。ほとんど演劇ジャンキー。

12時から後半の劇中劇のシーン、そして歌、と踊り。

2時から区民会館で楽塾の稽古、音楽のきめ。
ジャズとクール・ファイブでいく。これで稽古はいくことに決めた。
野田秀樹の文体を、野田のスピードをしのぐいきおいでやってやろうじゃないか。
50歳を超えたおばさんたちが野田戯曲をロックする、スイングする、いや面白いぜ。
それにしても楽塾は天才揃いである、だってスグできちゃうんだもん。

5時に再び早稲田、なんとか劇中劇2つ作る。
9時から照明のプランナーに通しを見てもらう。
岡野も大変だろうな、がんばれよ、と他人事。今日も夜中は照明の吊り込み。七緒と木暮が手伝、感謝。

明日は、自分のシーンをきっちりやります、尚ごめんね。

みんな、とにかく集中力だ!!!

 

11月6日(土)

お昼から稽古。前半を何回か返しながら作る。
もっと時間が・・と思う。間に合わない。今やれることをキッチリやる。

踊りと歌のシーンは明日決める。
ところが、明日は楽塾もある。3時間抜けて、楽塾も音楽を決めなければならない。

それにしても、桑田圭祐という男タダモノでない、天才である。
ラジオ聴いていると、ジャズもポリスもちゃんと歌いやがる。
なんでもできる桑田を見ていると、「この馬鹿役者たち、何で、何も出来ないんだ?」と思う日々。
あっ、俺もね。

テレビではエノケンをやってる、これまた天才。エノケンには誰もなれないのかよ。
おれは、桑田にもエノケンにもなりたい。
「それが舞台役者だろ。」

明日は後半戦。
何とかなる、そう思うしかない。
ポジィティブ思考、うん。明日がある。

 

 

11月5日(金)

朝、8時の新幹線に乗って名古屋。

芸術劇場小ホールの下見、いい劇場である。「ハイ・ライフ」にはぴったり。
来年の4月第5回演劇フェスティバルに参加することになったのである。
北九州の「うずめ劇場」のペーター ・ゲスナー氏に会った。好青年である。お昼過ぎまで打ち合わせ。

佃に電話すると勤労会館でカネシタの新作「弟の戦争」に出演しているという。
1時からというのでタクシーで駆けつける。
「うりんこ」の高校生向けの芝居、1000人近くのガキどものソウゾウしさったら無い。工事現場の削岩機(?)の音で静かになった。面白い芝居である、なによりも佃がイイ。誉めておいた。

大須七つ寺に行く。燐光群が「ときはなたれて」のゲネプロをやってる。坂手は不在。オーナーの二村さんと、これまた来年のケラの新作、アマノの演出の名古屋公演について雑談。

30年前からいつも行ってた「木の実」に行くとやっぱり閉まっていた。
おやじさんが死んで、息子さんが店はもういいとのこと、おばさんはやりたいんだけどね、とぽつり。

手羽先と味噌煮込みうどんを食べて帰京。
稽古には参加できず。

明日はお昼から稽古。歌、覚えなきゃ・・・・・。

 

 

11月4日(木)

睡眠不足で脳味噌が動いていない。が、今日も唯々妄想の中で『永遠』のドラマを「誤読」しまくり、最後まで「役者」が面白く見えるよー稽古を続けた。ほとんど休み無しで、皆もヘロヘロである。が、とにかくラストシーンまで行った。

明日は朝一の新幹線で名古屋に行き、2005年4月に企画している愛知県芸術劇場での『ハイ・ライフ』の打ち合わせ。

いやはや、本番まで後6日だというのに・・・。でも明日は名古屋で佃典彦に会える。『桜姫』の話で盛り上がろう。楽しみだ。

しかしまず、新幹線の中では『永遠』のことを考えよう。

 

 

11月3日(水)

午前中から不動産売買契約。
なんと、となりに住んでいるHさんが買ってくれた。そのままアパートになるらしい。嬉しい限りである。
来年の2月には引越しと決まる。

昼、タツマと飯。
誕生日のプレゼントにバーバリーの財布をもらう。15年ぐらい使ってボロボロだったのでこれまた嬉しい限り。

午後4時から稽古に参加、なんとか後半戦に突入。何故かド演歌のシーンを全員で作る。明日、作ろうぜ、ラフに最後まで。
尚が全体の動きを見てくれている。
帆足もでているので、とにかくキッチリ、演出のお手伝いである。

ダイエットと笑っていたのも昨日まで。俺の体は何処まで続くか。
でもかなり、面白くなるよ。

それにしても、アメリカの大統領選はどうなるのか?
どっちになってもそう変わらんと思ってしまうことが悲しい。それでもブッシュよりはケリーのほうがいいか。

文庫本、新書8冊を旅公演中に買った。。『ブレヒトの恋人』『覇権か、生存か』『私の愛国心』『木更津キャッツアイ』『遺言』『ユング』『死の壁』まだ4冊しか読んで無いじゃねーか。本読む時間も無い.。ヤベー・・・。

 

11月2日(火)

明日はついに43年間住み慣れた流山の家を売る日。

去年の12月、母が死んだので、遺産相続ということになり、売ることになったのである。これまでの粗相が過ぎた、おれには何も残らないけど。売るとなると、淋しいものだ。「ながれやまのこども」ではなくなる。お昼過ぎから、印鑑証明やら、納税証明書やら色々で何年ぶりに市役所に行ったり。結局、稽古場にたどり着いたのは6時。

林立するモノを扱った芝居を3時間掛けて作り出した。面白い。
9時から劇団総会。

あらゆる意味で今、「再出発」の時を迎えているのかもしれない。

楽塾のメンバーも集まってくれてささやかな誕生日の飲み会。ありがとう。

島次郎さま、竹内銃一郎さま、「紫綬褒章」オメデトウゴザイマス。
電車の中で大声で笑いました。

 

11月1日(月)

日付が変わり2日になった。
誕生日である。57歳になった。
父が死んだ年まで生きたいと思ってたが、ついにその日が来た。感慨深いものがある。

稽古場で取り敢えずの通しを見た。頭にきた。「とにかく相手役と芝居作れよ」、と怒鳴りまくった。演出のせいではなく、役者が解釈だとか、クソ御託いってる暇があったらテメーの身体をムチャクチャにつかってみろってんだ。わけーくせに。

よし。この調子で今までのストレスを一気に発散だ!!
目指せ!史上サイテーの役者!!

俺は役者として、林立するセットを使いまくって、客の度肝を抜くしかない。
せりふは入った。あと、歌1曲。そしてDANCE!汗みどろで1キロ痩せた。明日も1キロ痩せるぞ。
芝居ダイエット。やったね。

明日は劇団総会である。

 

10月31日(日)

今日は楽塾の稽古。始めは、自主稽古の成果を見る予定だったが・・・・。
頭のシーンで、とても見ていられなくてダメだしの嵐。面白いんだけど・・・。
動き回る、意味無く・・・そう、イミナク・・・これだ。 

それにしても、旅で美味いものばかり食って酒の飲みすぎで4キロオーバーで身体が重い。
凄い汗、血圧も上がりっぱなし。とにかくダイエット。

『永遠』は動き回るぞ。
セットらしきものが早稲田に林立している。これを1時間半、木内尚さんと動かすか、芸術的に・・・??
岸田理生のテキストをどう遊ぶか、モチロン真面目に、イミナクだ。

まあ、台詞明日までちゃんと覚えるぞ。



 

稽古日誌 「心中天の網島」篇



10月 1日(金)

最後のベニサンの通し。
明日は、いよいよ待ちに待った劇場入り、とにかく面白い芝居になってます。

明日は、久しぶりの島次郎のセットが本多に立つ。
私の歌、6曲カンペキ、といいたいが、これが・・・・・。

初日をお楽しみに。まだ初日、少し席に余裕がありそうです。
ぜひ、予約のほどを、待ってます。
役者だけ、というのはある意味で大変・・・・・・しゅうちゅうりょく・・・集中力・・・・・。
そして愛、愛・・・・。

で、稽古場日誌に15回続いた「近松日記」ジ・エンド・・・です。いや,われながらよくやった.、えらい。

 

9月30日(木)


「今日は、何があったんだ、」と思う日々。

テキストと戦う日々の行き着く先に「死」が透けて見えるそんなステキ台本であると元さんの最初のホンを読み直している。

きっちり相手役と芝居するしかない。
みんなテンションがあがってきて面白い。

明日は12じから録音2回通し。やったろやないけ。

リック・シオミは明日ミネアポリスへ帰るという。また、会おうぜ、友よ。

9月29日(水)


稽古場は後2日、やることをやるしかない。
お楽しみはこれからである。

後2回の通しで役者の楽しみ方をためそうぜ皆。
「その場にいる」こと、人(相手役)と出会うことこれだけ。

面白いこれまでにない作品に仕上がってます。
前売予約はお早めに。初日がスリリング!!?

 9月28日(火)


12回も日記をつけた。生まれてこの方初めてのことである。

いや、イギリスではつけてたっけ。毎日、イカとプロレスのことばかり書いてたっけ。

 9月26日(日)

 今日は久しぶりに「序」の集中稽古。俺と悪源太のシーンである。
悪源太は音がはいって俄然生き生きしてきた。これで、「序」はいける。
チェーホフ風の衣裳を着てみる。馬子にも衣装である。宮本さん、ありがとうございます。

明日はお昼に、カナダから来日しているリック・シオミ(『イエロー・フィーバー』の作者)と吉原さん(『ハイ・ライフ』、『イエロー・フィーバー』の翻訳家)とランチ・ミーティング。

4時から2回目の通し、もう少しだ。

※29日、午後6時から両国シアター・カイで国際交流セミナーがあり、リックのリーディングとレクチャーがあります。
日系演劇特集です。興味のある人は是非!

9月25日(土)


今日も朝から盛りだくさんのスケジュール。

お昼から歌稽古、本田さんアリガトウ。少し音を聞くことを覚える。
4時から初通し、途中で失敗もあったが、全体のイメージがわかった。歌はうまいと褒められた。

なかなかステキにセンサイなドラマになっている。面白い。英介はスゴイと素直に脱帽。
私がもっと全体を冷徹に「俯瞰で見れる近松」になるともっとイイとつくずくわかった。

6時に早退。下
北沢「劇」小劇場で海市ー工房の『天使の梯子』を観る。演出家コンクールの審査。

帰ってK-1をテレビで見る。武蔵強し、レ・バンナ復活ならず。曙は無残。
とにかく、集中力である、何事も。後6日。
明日がある?明日がある。

 

9月24日(金)

今日は、クラシックス「元ジァンジァン」でハナケンゴを何とか観れた。
面白いが、自分たちがやってることを醒めて批評する人間が必要だ、とダメだし。
メチャクチャな、エネルギーの中に「人間」がいなきゃダメだ。などとえらそうなことはいえないか。

皆さんも是非、渋谷「元ジァンジァン」まで足を運んでやってください。沖田乱は相変わらず馬鹿でいいです。

明日は、お昼から歌稽古。あしたは、たぶん初の通し。面白いことになりそう。

 

9月23日(木)

今日は、飲み会。英介は仕事で参加できず残念。
歌のオケがあがってきた、難しい。本田さんが明後日特訓してくれるとのこと。よろしく。

午前中はタツマと墓参り、お彼岸で大勢の人。

あ、衣裳がチェーホフだ!そうだ近松は冷徹なリアリストなんだと発見。

おれは最近つくづく人間がアマイと思う。だから、なんだ。 あ、タツマにこずかいをせびられて今日もスカンピン。アマイなぁ。

 

9月22日(水)

今日は振付のあと、仮通し。で、俺の歌のシーンのみ抜き稽古。いやはや、面白い。
あとは、自分で決めるしかない。
歌は稽古、稽古、稽古・・・。

ハナケンゴ観ようと思っていたんだが・・・。明日は朝から、息子と母の墓参り。

で、午後から、衣裳あわせ。夜は役者飲み会。ハナケンゴはいつ?

 

9月21日(火)

今日はスペース早稲田で3時間歌の稽古。
阪本篤篤が10月11日に発表するひとり芝居の稽古に、途中できたが、ごめんなさいで、稽古をつづける。
なんとか覚えたつもりだが・・・・・。

明日は、北村真実先生の振付。

あ、そうだ23日はお彼岸、母の墓参りである。

9月20日(月)

今日は自分なりにシーンがわかった。
明日は最後の休み。
早稲田で自主稽古します。
明日1日でとにかく歌5曲覚えねば・・・本田実の曲は本当に難しい。

今日、僕は生まれて始めてオーディションを受けた。
NHKの。有名人がイッパイいた。
みのすけとか。みのすけとか。。。。いっぱい。


9月19日(日)

いやはや、今日も稽古はボロボロ、全て集中力である。
まあ、生来のエエ加減さ故か・・・・。
でも、明日がある,あすがある。

で、今日は早稲田で来年の楽塾『野田版・夏の夜の夢』のキャスティング。
総勢15人になった大所帯。実験的なキャスティング、これで行く。
半年後のゴールデン・ウイーク7日間14ステージ。
乞う、ご期待である。


9月18日(土)

今日は稽古を終えて、高田馬場の「夢屋」という飲み屋にいった。
前に龍昇に紹介された店である。いまどきあまりない塩野谷正幸好みの店、ママも常連客もいい。
くしゃおじさん風のひとに釘ズケ、これだ!この顔だぜ。近松は、うん。いただき!!

ママがチケット2枚、何故か買ってくれた。
明日こそ歌2曲覚えるぞ。
しかし明日はもう、真実先生の振付だ、困ったぞ。

追伸:今日もまた、アニマル浜口に間違えられた。今に見てろ!!俺の方が有名になってやる!!


9月17日(金)

今回、近松は歌います。 2曲出来ていてこれだけでも大変なのに、今日3曲上がってきた。
本田実の曲は難しい、いや、本当。とにかく稽古するしかない。 頭の中を今新曲がぐるぐる廻ってます。

明日はお昼から近松のシーン、とにかく落ち着いて楽にやろう。 後2週間か・・・・・。 6曲か・・・・・・。

 

9月16日(木)

近松門左衛門の役を面白く作る。それが私の課題。

が、いかんせんこの人、相当なインテリである。
おまけに武士階級に受けたといわれていることでわかるように今で言えば、井上ひさし、三島由紀夫。
「走り書き、謡いの本は近衛流」で、わたし近松は、とりあえず、主人公の冶兵衛をてめえだと思うことにした。
これで、行きます。

稽古場もベニサン・スタジオに変わってこれからが勝負。 面白い、「世話物」になってます。ご期待ください。

歌います、踊ります。 ♪ここは、花街 曽根崎新地 です。